献上品

献上品（けんじょうひん）とは

献上品とは、一般的に身分の高い人に対して贈られる品物のことを指します。現代の日本においては、主に皇室に献上される品を指し、宮内庁長官官房総務課がその事務を担当しています。

献上品の種類

献上品としてイメージされやすいのは、工芸品や美術品ですが、それらに限定されるものではありません。例えば、京都御所の御内庭にある樹木、自然石、灯籠なども献上品として扱われています。献上品は、贈る相手への敬意を示すとともに、その品物の価値や美しさを認める意味合いも持ちます。

「皇室献上品」の表示について

商品の中には、宣伝やパッケージに「皇室献上品」と銘打っているものが見られますが、これは御用達と同様に、法的な表示制度として存在するものではありません。そのため、商品の品質や価値を保証するものではないことに注意が必要です。

歴史的な献上物

献上物という言葉は、江戸時代に将軍から朝廷へ、あるいは各藩主から将軍へ献上された品物を指す場合が多くあります。これらの献上物は、政治的な意味合いや、主従関係を示すためのものでもありました。

戦後の献上に関する規定

戦後の地方巡幸においては、1949年（昭和24年）に内閣から政府関係部局に対し、地方巡幸の趣旨から献上を控えるようにという通達が出されました。これは、献上が過度な負担とならないように配慮したものです。

1929年（昭和4年）には献上品取扱内規が定められ、運用されていましたが、1955年（昭和30年）に改正され、産業や文化の推奨という趣旨に沿うものに限定されました。また、親族からの内献や外国交際のための儀礼上のものは除かれています。

関連事項

献上品に関連する事項として、以下のようなものが挙げられます。

献上図式 - 将軍に献上された詰将棋
冊封体制
朝貢
冊封
御物
御用達
* 蟹工船 - 作者は献上品についての記述により不敬罪で追起訴された。

献上品は、単なる贈り物というだけでなく、歴史や文化、政治とも深く関わっています。その背景を知ることで、献上品に対する理解をより深めることができるでしょう。

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