献貞王后

献貞王后皇甫氏（けんていおうこう こうほし）

献貞王后皇甫氏は、高麗第5代の王・景宗の第3王妃であり、第8代顕宗の母である。彼女の諡号は孝肅仁惠順聖大王太后である。彼女の生涯は波乱に富み、王朝の歴史に深く刻まれた。

生い立ち

皇甫氏は、太祖の王子である王旭と彼の夫人・柳氏の子として生まれた。彼女には同母の兄に成宗、同母の姉に献貞王后がいる。彼女は王室の伝統に則り、外祖母である神静王后にちなんで皇甫姓を名乗ることになった。

王妃としての生活

皇甫氏は、美しい容姿と知性を持ち合わせた女性であり、景宗の4番目の王妃として宮廷に入った。結婚当初は幸福に包まれていたが、景宗との間に子供を授かることは叶わなかった。981年に景宗が亡くなると、彼女は王太后となった。

その後、彼女は宮殿を離れ、王輪寺の南側に位置する私邸で静かな生活を送ることになった。しかし、孤独な日々の中で彼女は、近隣に住む叔父・王郁と親密な関係を築いてしまう。

禁断の恋

王郁との関係は、王室の掟に反するものであった。彼女は次第に彼に心を寄せていき、互いの私邸を往来することで恋仲となった。だが、この秘密の恋は長く続かなかった。ある日、王郁の奴婢が彼の私邸に火を放ち、その結果、皇甫氏の禁断の愛が兄・成宗の知るところとなってしまった。

子供の誕生と悲劇

992年8月1日、彼女は王郁との間に息子・王詢（後の顕宗）を出産した。しかし、出産の際に彼女は産褥死という悲劇に見舞われた。命を掛けた母親としての役割を果たすこと無く、彼女はこの世を去った。彼女自身は他にも993年に亡くなったとも言われている。

王詢は成宗に育てられ、のちに高麗の王となる。彼女の死後、追尊され、孝粛王太后としてその名は後世に語り継がれることとなった。

家族

• - 父：王旭（戴宗と追尊）
• - 母：柳氏（宣義王后と追尊）
• - 兄：成宗
• - 姉：献貞王后皇甫氏
• - 甥：穆宗
• - 夫：景宗
• - 内縁の夫：王郁
• - 長男：顕宗

文化的影響

献貞王后皇甫氏はその生涯と影響力を持ち、『千秋太后』という2009年のKBS2のテレビドラマでも描かれた。このように彼女は高麗の歴史だけでなく、文化的な視点からも重要な人物であった。

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