猿若清方 (初代)

初代猿若清方（しょだい さるわか きよかた）

初代猿若清方は、1915年に東京・亀戸で生まれ、本名は堀越実です。日本舞踊家、振付師、俳優、脚本家として多岐にわたる才能を発揮しました。特に彼は、江戸時代以来途絶えていた猿若流を復興し、その発展に貢献したことが特筆されます。

来歴

彼の舞踊への関心は幼少期に始まりました。4歳の頃、父親が新内の太夫であった影響で、日本舞踊を習うようになります。最初の師匠である坂東三寿次の下で基礎を学び、11歳の頃には初代花柳輔三郎の内弟子となります。その際、彼は花柳輔五郎という名を使い始めました。

1941年、一時的に花柳流を離れ、自ら猿若舞雀の名を名乗り、途絶えていた猿若流の復興に着手しました。この活動により、彼は七世家元としての地位を確立しました。1947年には清方と改名し、1981年には長男に家元の地位を譲りました。

テレビや映画への貢献も大きく、自身も時代劇に出演するだけでなく、舞踊指導や脚本、作詞にも携わりました。彼の子供は八世家元として猿若清三郎を名乗り、さらにその孫が九世家元へと続きます。

役職歴

清方は多くの団体で役職を務めました。1976年から1984年にかけては全日本舞踊連合の理事を務め、1985年から1996年には同団体の理事長として活動しました。また、1955年から2003年まで社団法人日本舞踊協会の理事や常任理事を務め、1983年から2003年には社団法人日本芸能実演家協議会の理事を担いました。

受賞歴

彼の功績は数多くの受賞に表れています。1958年には芸術祭奨励賞を受賞し、1977年には紫綬褒章を贈られました。さらに、1979年には東京新聞制定舞踊芸術賞、1990年には勲四等旭日小綬章を受けました。2001年には第22回松尾芸能賞特別賞も受賞しています。

作品

清方は多くの映画で脚本を手がけ、その実績も残しています。1967年には『座頭市牢破り』、1968年には『座頭市喧嘩太鼓』の脚本に携わりました。また、1962年の映画『忠臣蔵_花の巻・雪の巻』では振付を担当し、1987年の『吉原炎上』では振付や吉原芸能の監修を行いました。1990年には映画『あげまん』に出演し、踊りの師匠の役を演じています。

以上のように、初代猿若清方の足跡は、日本舞踊の発展に寄与した重要なものであり、今なおその影響は大きく残っています。

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