獣たちの夜 BLOOD THE LAST VAMPIRE

『獣たちの夜 BLOOD THE LAST VAMPIRE』は、押井守が手がけた小説作品であり、アニメーション映画『BLOOD THE LAST VAMPIRE』と共通の世界観を持つスピンオフ作品です。物語は、激動の時代である1969年の東京を舞台に展開されます。

物語は、1969年4月28日の夜、騒然とした東京で幕を開けます。主人公は、ごく普通の高校生である三輪零。彼は学生運動に参加していましたが、デモ隊は機動隊の突入によって壊滅。零はあてもなく街を彷徨うことになります。そして、人気のないビル街に迷い込んだ零は、そこで信じがたい光景を目撃します。壁を赤く染める血飛沫、日本刀を手に佇むセーラー服姿の少女、そして、想像を絶する異形の存在。零は、否応なく血と暴力の世界へと引き込まれていくのです。

登場人物

三輪零（みわ れい）: 主人公。理論ばかりを振りかざし、大人や教師に反抗的な態度を取る、どこにでもいる平凡な高校生。「都立K高校民主化闘争委員会」に所属しています。
後藤田一（ごとうだ はじめ）: 零の前に突如現れた謎めいた中年刑事。長身で痩せぎすな体格をしており、飄々とした態度で相手に近づき、懐に入り込むのが得意な人物です。ヘビースモーカーでもあります。
音無小夜（おとなし さや）: 零が出会うセーラー服姿の少女。後藤田も彼女を追っていますが、その正体は謎に包まれています。



『獣たちの夜 BLOOD THE LAST VAMPIRE』は、アニメ版の世界観を踏襲しつつ、押井守ならではの重厚なテーマと独特の演出が光る作品です。血と暴力が渦巻く世界で、零は一体何を目撃し、どのような運命を辿るのか。そして、小夜の正体とは一体何なのか。読者は、零とともに謎を解き明かし、物語の深淵へと誘われていくことでしょう。

この小説は、ハードカバー版が2000年11月に、文庫版が2002年7月にそれぞれ発売されています。

ハードカバー版：2000年11月発売 ISBN 4-8291-7449-8
* 文庫版：2002年7月発売 ISBN 4-04-366601-2

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