玄妙寺

玄妙寺

玄妙寺は、静岡県磐田市に所在する日蓮宗の寺院で、本立山と号します。由緒ある本山として知られ、その歴史は14世紀にまで遡ります。

歴史

1383年、日什上人が上洛の折にこの地に小さな庵を結んだのが始まりとされています。その後、1385年に日什上人はこの庵を寺院として開創し、玄妙寺と名付けました。玄妙寺は、日什上人が悟りを開いた寺とされ、同じく什門の寺院である妙満寺（転法輪の寺）、妙法寺（涅槃の寺）と共に「什門三本山」と称されました。

什門の名刹として、玄妙寺は戦前まで顕本法華宗の本山でした。1941年、政府の宗教政策により、顕本法華宗は日蓮宗、本門宗と合同しました。しかし、戦後、什門の再独立を求める動きが活発化し、大本山妙満寺や本山妙法寺など200箇寺が宗派から離脱しました。その一方で、日蓮宗に留まることを選んだ什門の寺院もあり、玄妙寺は妙國寺、本興寺、妙立寺と共に「什門四本山」の一角を担うこととなりました。また、この時、どちらの宗派にも属さず単立となった寺院も存在します（例：品川本光寺）。

日蓮宗に残留した180箇寺は、「日蓮宗什師会」を組織し、現在も活動を続けています。

特徴

玄妙寺では、毎年11月12日から13日にかけて、日蓮大聖人の御命日を偲ぶ「御命講（お会式）」が執り行われ、多くの参拝者で賑わいます。現在の住職は、56世の渡邊日易貫首です。

また、境内には、経蔵、門柱、塀があり、これらは国の登録有形文化財に登録されています。

旧末寺

1941年（昭和16年）に日蓮宗は本末を解体したため、現在では旧本山、旧末寺と呼びならわしています。

広居山妙行寺（愛知県名古屋市中村区五反城町）

交通アクセス

JR東海道本線「磐田駅」より徒歩30分

関連資料

日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年）
日蓮宗什師会『日什門流読本』日蓮宗新聞社（2004年）

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