玉乃海太三郎

玉乃海 太三郎の生涯

玉乃海 太三郎（たまのうみ だいさぶろう）は、1923年1月2日に大分県大分市で生まれました。本名は三浦朝弘（みうらともひろ）で、昭和12年には二所ノ関部屋に入門し、1937年に初土俵を踏みました。身長181cm、体重120kgを誇る体格で、その得意技には右四つ、櫓投げ、外掛けがあります。彼は相撲界の実力者の一人として栃若時代に名を馳せ、最高位は東関脇。特に彼のパワフルな取り口は「荒法師」との異名を持つほどでした。

現役時代の軌跡

彼は1940年に上海での巡業中に一時的なトラブルを経験し、その後太平洋戦争中は海軍の軍属として飛行場建設に従事しました。戦争の影響から何度も命の危険にさらされながらも、1947年に帰国。しかし、相撲界にはすでに30歳を迎えていました。再スタートは極めて厳しいものでしたが、帰参後は猛稽古を重ね、1952年には新入幕を果たし、1957年には幕内最高優勝を成し遂げます。この優勝は、彼にとって特別な意味を持つもので、九州場所での全勝優勝として歴史に名を刻みました。

引退後の指導者としての活躍

引退後は年寄・片男波を襲名し、片男波部屋を興しました。彼の指導のもと、多くの弟子が育ち、その中には横綱にもなった玉の海がいます。吉田がついた後、玉乃海は成功した受け継ぎの方法を通じて弟子を育てたが、その後も多くの弟子を指導し、相撲界の発展に尽力しました。しかし1971年に愛弟子である玉の海が急死するという悲劇に遭遇し、彼の人生に大きな影を落としました。

酒豪としての一面と人柄

玉乃海は酒に関するトラブルが多く、その酒豪ぶりや酒癖の悪さが知られていました。それにもかかわらず、彼は素面の時には寛容で理解のある人柄として、弟子たちや周囲の人々から高く評価されました。面白いエピソードとして、飲みすぎて都電の軌道上で寝込むなど酒にまつわる逸話は数多く残されています。また、軍役経験があるため、部屋持ち時代には弟子たちに軍歌を歌わせるという独自の育成方法も行っていました。

大相撲界への貢献と最期

引退後も相撲界での存在感を発揮し、1988年には相撲生活50年を振り返るパーティーを開いたが、1987年9月に心不全のため生涯を閉じました。彼の功績は死後も称えられ、多くの人々に記憶され続けています。また、弟子たちとの関係においても、彼の教えは今尚生き続けています。玉乃海の強さ、指導者としての姿勢、その人柄は日本相撲界の中で永遠に語り継がれることでしょう。

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