玉乃淳

玉乃 淳

1984年6月19日、東京都に生まれた玉乃 淳は、ミッドフィールダーおよびフォワードとして活躍した元プロサッカー選手です。そのキャリアは、日本の名門クラブの下部組織から始まり、異文化の地での挑戦、そして引退後の多岐にわたる活動へと展開していきました。

玉乃氏は幼少期より東京ヴェルディの下部組織でサッカーの腕を磨きました。15歳となった1999年、ヴェルディジュニアユースの一員として参加したナイキプレミアカップでのプレーが評価され、スペインの強豪アトレティコ・マドリードのユースチームに加入するという異例のステップを踏みます。このスペインでの3シーズンは、後に世界的なストライカーとなるフェルナンド・トーレスらと共にプレーするなど、貴重な経験を積む時期となりました。

帰国後、ヴェルディユースに復帰した玉乃氏は、ユース所属ながら2種登録選手として東京ヴェルディ1969（現在の東京ヴェルディ）のトップチームに名を連ねます。そして2002年9月18日、Jリーグの舞台である東京ダービーで途中出場を果たし、念願のプロデビューを飾りました。2005年にはチームの天皇杯優勝に貢献しましたが、レギュラーポジションを完全に掴むには至らず、シーズンを通じて途中出場が多い状況が続きました。

出場機会を求め、2006年シーズンは徳島ヴォルティスへレンタル移籍。ここでは定位置を確保し、中心選手として活躍しました。しかしシーズン終了後、所属元のヴェルディから戦力外通告を受け、新たな道を模索することとなります。2007年にはJ1昇格を果たした横浜FCへ完全移籍しましたが、ここでも多くの出場機会は得られず、チームも1年でJ2へ降格することになりました。2008年には再び徳島ヴォルティスへ復帰し、主力としてプレー。しかし、2009年12月24日をもって現役からの引退を表明し、9年間のプロサッカー選手としてのキャリアに幕を下ろしました。

現役引退後、玉乃氏は様々な分野で活動を展開していきます。2011年にはカナダへ渡り語学を習得。帰国後、サッカー番組「Foot!」に出演し、自身が過ごしたアトレティコユースや熱狂的なファンであるレアル・マドリードについて紹介しました。

2012年からはサッカー解説者としての道を歩み始めます。主にJ SPORTSなどでJリーグ中継の解説を担当し、その独特な視点や感覚的なコメントスタイルは多くの視聴者から注目を集めました。特に実況担当の下田恒幸氏とのコンビは話題となり、2014年12月3日放送のテレビ朝日系番組「マツコ&有吉の怒り新党」では、「新3大・試合より気になる放送席」の一つとして紹介されるほどでした。

解説業の傍ら、2014年12月4日には株式会社バランスマネジメントと契約。また、プロスポーツ選手のセカンドキャリア支援を目的としたウェブサイト「TAMAJUN JOURNAL」を2016年5月23日に開設するなど、元選手としての経験を活かした活動も行いました。2017年2月1日には独立し、自身が運営する株式会社 JAPAN TRENDYでマネジメント業務を開始します。

しかし、2017年8月末日をもってサッカー解説やテレビ出演といったメディア活動から一切身を引き、次の目標に向けて早稲田大学人間科学部に入学するという驚きの決断を下します。これはビジネス分野での基礎固めを目指すためでした。これに伴い、「TAMAJUN JOURNAL」の更新も終了しました。

大学での学びに並行し、2017年からは大手広告代理店である博報堂DYメディアパートナーズのスポーツビジネス局に勤務。ビジネスの現場での経験を積みます。

そして2019年12月18日、Jリーグクラブであるアルビレックス新潟のゼネラルマネージャー（GM）に就任。翌年3月28日には強化部長も兼務するなど、クラブの編成・強化における要職を担いました。しかし、2020年11月18日付で強化部長を退任し、同年12月31日をもってGMの職からも離れることとなりました。

プロサッカー選手として、解説者として、ビジネスマンとして、そしてクラブのフロントスタッフとして、玉乃 淳氏は常に新たな挑戦を続け、多角的なキャリアを築いています。

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