玉川カルテット

玉川カルテット：浪曲漫才の系譜と、波乱に満ちた歴史

玉川カルテットは、浪曲を基調としたボーイズスタイルの浪曲漫才グループとして知られています。小松プロモーションやファミリーアーツを経て、有限会社サンオフィスに所属していました。メンバーの個性あふれるパフォーマンスと、特に二葉しげるの「金もいらなきゃ女もいらぬ、あたしゃも少し背が欲しい」というギャグは、広く親しまれました。

メンバーと個性

玉川カルテットのメンバーは、その芸達者さと個性的なキャラクターで知られていました。

玉川ゆたか: 初代リーダー。迫力ある声と、メンバーを叩いてツッコむ際に使用する扇子がトレードマークでした。バラエティ番組にもピンで出演するなど、多方面で活躍しました。
松木ぽん太: 三味線担当。幼少期からヴァイオリンやウッドベースを習得しており、三味線の早弾きで観客を魅了しました。おかまキャラで、ネタでは必ず女性役を演じていました。
二葉しげる: ギター担当。コブシ回しが持ち味で、「金もいらなきゃ女もいらぬ、あたしゃも少し背が欲しい」というギャグは、玉川カルテットの代名詞となりました。
松浦武夫: ギター担当、甲高い声の合いの手も担当。天才バカボンや忍者ハットリくんに似ている愛敬のある風貌で人気を博しました。

上記4名が長きに渡り活動の中核を担い、事実上の正規メンバーでした。他にも、伊丹明(三味線)、仲俊二(ギター)、玉川平助(2代目リーダー兼マネージャー)、玉川平次(3代目リーダー)、玉川玉太郎(4代目リーダー)、上原和(ギター)、玉川平太朗(5代目リーダー)など多くのメンバーが加わったり、脱退したりと、グループの歴史はメンバーチェンジの繰り返しでした。

玉川カルテットの歩み

玉川カルテットの歴史は、玉川ゆたかが結成した「玉川兄弟」から始まります。その後、メンバーの加入と脱退を繰り返しつつ、1965年に現在のカルテット体制が確立されました。

1996年の初代リーダー玉川ゆたかの死去という大きな転換期を迎えながらも、マネージャーであった玉川平助をリーダーに据え活動継続。1998年には、大瀧詠一プロデュースによる新曲『玉カルのアンアン小唄』を発表するなど、時代の変化に対応しながら活動を続けました。

しかし、2005年以降もメンバーの病気や引退により、幾度となくメンバーチェンジを繰り返しました。2013年には、リーダー交代などの経緯を経て事実上の解散公演が行われましたが、その後も「玉川カルテット」名義での活動は継続されています。

玉川カルテットの芸能活動

玉川カルテットは、数多くのテレビ番組に出演し、その名を広く知らしめました。代表的な番組としては、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』『BSふれあいホール お楽しみ寄席』『笑いがいちばん』『ひらけ!ポンキッキ』『週間漫画ゲラゲラ45』などがあります。

また、1975年には放送演芸大賞 ボーイズ部門を受賞するなど、その芸の腕前は高く評価されていました。

玉川カルテットの遺産

玉川カルテットは、浪曲漫才という独特のジャンルを確立し、長年にわたり日本の芸能界に貢献しました。数々のメンバーチェンジやリーダー交代、そして解散と再出発という波乱に満ちた歴史を経て、現在もその名を残し続ける玉川カルテットは、日本の芸能史において重要な位置を占めていると言えるでしょう。彼らの芸風は、後世のエンターテイナーにも大きな影響を与え続けています。

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