玉手山古墳群

玉手山古墳群の概要

玉手山古墳群は、大阪府柏原市に位置する歴史的な古墳群です。この古墳群は大和川と石川の合流点近く、玉手山の洪積丘陵上に散在しており、南北に伸びる丘陵全体にわたって古墳が点在しています。

古墳群の構成

玉手山古墳群は、主に三種類の古墳から構成されています。第一の種類は古式古墳群で、これは古墳時代前期に属するもので、13基の前方後円墳と20基以上の円墳が含まれています。古墳群は丘陵の全域に広がり、主な遺物としては竪穴式石室に副葬品として鏡や玉、刀剣、工具などが見つかっています。特に注目すべきは、丘陵中腹にある安福寺境内に残る古墳から発掘された割竹形石棺です。この石棺は、手水鉢として再利用されており、漢字の直弧文が彫られた独自の意匠が施されています。古式古墳の大規模な集中は近畿地方でも稀有なものです。

第二の種類は後期古墳群で、丘陵の西麓にある凝灰岩層に掘られた横穴墓です。これらの横穴墓は数十基存在すると推定されていますが、その正確な数は不明です。いくつかは陶棺や石棺が使われており、後期の副葬品が発見されています。

第三の種類には横穴式石室主体の古墳が1基あり、家型石棺が安置されています。玉手山古墳群は、これらの多様な古墳が同じ地域に集積している点が大きな特徴です。

主要な古墳の特徴

玉手山古墳群に含まれるいくつかの主要な古墳について説明します。

• - 1号墳（小松山古墳）: 全長は107メートルで、後円部の頂上に竪穴式石室が存在すると考えられています。また、墳丘の下には円筒埴輪棺が発見されており、柏原市の文化財にも指定されています。
• - 3号墳（勝負山古墳）: 前方部が削平されており損傷が激しいですが、95メートルの規模を持つ前方後円墳です。探査により後円部の竪穴式石室が確認されています。
• - 6号墳（すべり台古墳）: 全長95メートル、後円部には2基の竪穴式石室があり、多くの副葬品が出土しています。
• - 10号墳（北玉山古墳）: 全長48.5メートルで、竪穴式石室が確認された古墳です。ここから多くの鉄器やその他の遺物が出土しています。

墳造時期と関連文化財

玉手山古墳群は、古墳時代前期後半にその主要部分が構築されたと考えられていますが、最近の調査によるとその形成はさらに古い時期に遡る可能性があります。

また、関連の文化財として、安福寺境内にある石棺蓋や、安福寺の周りに点在する35基以上の横穴墓群があります。これらは大阪府の史跡としても指定されています。

玉手山古墳群は、地域の文化や歴史を知るための重要な遺跡であり、多くの考古学的な価値を持っています。

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