玉石

玉石（Cobblestone）とは

玉石（たまいし、英: Cobblestone）は、土木工学や地盤工学で用いられる、ある程度の大きさを持つ丸みを帯びた石のことです。

定義

玉石の定義は、その大きさに明確な基準があるわけではありません。

国土交通省の土木工事共通仕様書では、通常15cm～25cm程度で丸みを持ち、卵のような形状で表面が粗く、薄っぺらでないものと定義されています。
NEXCO（東日本/中日本/西日本高速道路株式会社）では、10～50cm程度の礫を玉石とし、それよりも大きいものは転石（boulder）としています。
地盤工学の分野では、地盤材料の分類に玉石は含まれていませんが、現場土質名として「玉石まじり砂礫」という名称が慣用的に使用されることがあります。
英語ではCobble stoneと呼ばれ、堆積組織学ではBoulderとPebbleの中間の大きさの礫を指します。ウェントワースとクルンバインの粒度区分尺度では、径が64～256mmのものをCobbleとしています。

利用

舗装

石畳を敷いた区画は、スコットランド語で「コーシー」「カッセイ」「キャシー」などと呼ばれます。

道路造成における利用

玉石の石畳は、砂やモルタルで固定して使用されます。石畳舗装は、未舗装の道路でよく見られるわだちを防ぎ、一年を通して道路を使用可能にします。また、雨天時の泥はねや乾季の埃を防ぐ効果もあります。

蹄鉄を付けた馬は、アスファルトよりも石畳の方が滑りにくく、より強い牽引力を得られます。一方で、石畳の上を往来する際の騒音は、歩行者に車両の接近を知らせる利点がある反面、騒音問題を引き起こす可能性もあります。

現代の利用

19世紀には、玉石の石畳は花崗岩の切り石敷きに置き換えられました。その後、マカダム道路、ターマック、アスファルトコンクリートへと進化しましたが、現代でも歴史地区などでは石畳が保存されています。

近年では、ヨーロッパで歩行者専用道路の舗装材として石畳が再び注目されています。騒音は、歩行者が車両の接近に気づきやすいという利点として捉えられています。また、石畳の独特な景観は、その場所が特別な場所であることを示唆する役割も担っています。

アメリカのフィラデルフィアやボストンなどの古都では、古い街道に玉石や敷石が使用されています。しかし、多くの場合アスファルトで舗装されており、交通量の多さからひび割れや侵食が発生し、元の石畳が露出している箇所もあります。

中南米の多くの都市（ブエノスアイレス、サカテカス、グアナファト、サンフアン旧市街、モンテビデオなど）では、石畳の通りが良好な状態で維持されており、伝統的な方法で修復が行われています。

チェコ共和国には、着色大理石と石灰岩を敷いた古い石畳の道があり、ボヘミア地方では赤、黒、白の3色を使ったデザインが伝統となっています。

自転車レースでの利用

自転車ロードレースでは、石畳のコースが難易度を上げるために採用されます。石畳を効率良く乗りこなすには、落車やパンクを防ぐための技術が必要です。有名な石畳のレースとしては、ロンド・ファン・フラーンデレンやパリ～ルーベがあります。

建築

ニューヨーク州のフィンガーレイクス地域では、氷河の後退によって大量の玉石が生成されたため、建物の材料として利用されました。南北戦争以前の建築様式では、壁の材料に玉石が多用されています。現在残っている玉石壁の建物は歴史的な場所として珍重されています。

アメリカで唯一の玉石壁の公共建築は、ニューヨーク州アレキサンダーにあるアレキサンダークラシックスクールです。

関連項目

石畳
敷石
ポルトガル式歩道
Calade
* Flagstone

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