玉造郡

玉造郡の歴史と沿革

玉造郡（たまつくりぐん）は、宮城県に位置していた歴史的な郡であり、その成立は1878年に遡ります。当初の郡域は現在の大崎市の一部に重なり、岩出山や鳴子温泉などの地域を含んでいました。特に、1878年には栗原郡からの編入もあり、地域の形成に寄与しました。

郡域と歴史的背景

玉造郡の名前は古い歴史に由来しており、794年頃には丹取郡が新設された記録が残っています。その後、728年には丹取軍団が玉作軍団に改称され、これに伴って玉造郡が成立したと考えられています。この時期、玉造郡は天平五柵の一つ、玉造柵がある重要な軍事拠点であり、陸奥国北端において唯一軍団が配置されていたことから、その重要性が伺えます。

10世紀前半には『和名類聚抄』において、玉造郡には府見郷、玉造郷、信太郷、余戸郷などの郷が存在していたことが記されており、当時から複数の地域が管理されていたことが分かります。

近世以降の変遷

幕末の時代においても、玉造郡は引き続き陸奥国に位置し、仙台藩の領土として知られていました。明治元年に仙台藩主が降伏し、郡は陸前国に編入されましたが、後には再び仙台藩領として復活しました。

1878年には郡区町村編制法が施行され、正式に玉造郡が成立しました。「志田玉造郡役所」が設置され、地域の行政が始まりました。

町村制と郡制の施行

1889年4月には町村制が施行され、その結果として玉造郡には大崎村や岩出山町が誕生し、いくつかの村が組織されました。明治27年には郡制が施行され、郡役所が岩出山町に設置されるなど、地域の政治が一層整理されていきました。

近代の合併と消滅

大正時代に入ると、たびたび地域の分割や合併が行われ、1926年には郡役所が廃止されました。その後、1940年代から50年代にかけては様々な合併が繰り返され、1950年には東大崎村が古川市に編入される事態となります。

最終的に、2006年には岩出山町や鳴子町が古川市などと合併し、今の大崎市が誕生することによって玉造郡は消滅しました。

結論

歴史的に見ても、玉造郡は数多くの変遷を経ながら、その地域社会の形成に寄与してきました。現在では大崎市の一部として、その名を残すことはありませんが、過去における玉造郡の役割は地域の歴史に大きな影響を与えています。

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