王の運命 -歴史を変えた八日間-

王の運命 -歴史を変えた八日間-（사도）

『王の運命 -歴史を変えた八日間-』（おうのさだめ れきしをかえたようかかん、原題：사도）は、2015年に公開された韓国の時代劇映画です。イ・ジュニク監督がメガホンを取り、ソン・ガンホとユ・アインが主演を務めました。李氏朝鮮時代の国王・英祖とその息子である思悼世子の、悲劇的な関係を描いた作品で、韓国で624万人以上の観客動員数を記録し、第52回百想芸術大賞で大賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得ました。

あらすじ

物語は、李氏朝鮮第21代国王・英祖が、40歳を過ぎてから生まれた息子の思悼世子に、大きな期待を寄せることから始まります。英祖は世子を、自身と同じく学問と礼法に秀でた後継者に育てようとしますが、世子は芸術や武芸を好む自由奔放な青年へと成長していきます。父の期待に応えられない世子と、世子への失望を深める英祖。二人の間には次第に深い溝が生まれ、憎悪にも似た感情が募っていきます。

世子を失脚させようとする反対勢力の策略も絡み合い、父と子の確執はますます深刻化していきます。そして1762年、ついに歴史を激震させる出来事が起こります。英祖は、思悼世子を米びつに閉じ込め、餓死させるという、衝撃的な決断を下すのです。八日間にわたる米びつ監禁の末、世子は息絶え、その死は、李氏朝鮮の歴史に暗い影を落とすこととなりました。

キャスト

英祖：ソン・ガンホ（山路和弘）
思悼世子：ユ・アイン（岸尾だいすけ）
恵慶宮：ムン・グニョン（福圓美里）
暎嬪李氏：チョン・ヘジン（三沢明美）
仁元王后：キム・ヘスク（杉山滋美）
イ・サン（正祖）：ソ・ジソプ（桐本拓哉）※特別出演

作品の魅力

本作の魅力は、何と言っても、ソン・ガンホとユ・アインという、韓国を代表する演技派俳優たちの、圧倒的な演技力です。厳格な王としての威厳と、息子への複雑な感情を抱える英祖を演じたソン・ガンホと、父への反発と苦悩、そして狂気を抱える思悼世子を演じたユ・アイン。二人の俳優が見せる、息詰まるような演技合戦は、観る者を物語の世界へと引き込みます。

また、豪華な衣装やセット、美しい映像など、映画全体のクオリティの高さも、本作の魅力の一つです。李氏朝鮮時代の宮廷を忠実に再現した映像は、観る者をタイムスリップさせたかのような感覚に陥らせます。

受賞歴

第36回青龍映画賞：主演男優賞（ユ・アイン）、主演女優賞（チョン・ヘジン）
第52回百想芸術大賞：大賞（イ・ジュニク）
第35回韓国映画評論家協会賞：最優秀作品賞
第19回タリン・ブラックナイト映画祭：グランプリ

史実との違い

映画は史実を基にしていますが、脚色も含まれています。例えば、思悼世子の狂気の原因や、英祖が世子を死に追いやった理由などについては、様々な解釈があります。映画は、一つの解釈に基づいて、物語を構成しています。

まとめ

『王の運命 -歴史を変えた八日間-』は、親子の愛憎、政治的な陰謀、そして歴史の残酷さを描いた、見応えのある時代劇映画です。ソン・ガンホとユ・アインの迫真の演技、そして美しい映像は、観る者の心を深く揺さぶります。歴史に興味がある方はもちろん、ドラマチックな物語を楽しみたい方にも、おすすめの作品です。

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