王ゲキ

王勮について

王勮（おう げき）は、生年は不明だが697年に亡くなった、中国唐の文人である。彼は山西省運城市河津市に位置する絳州竜門県の出身であり、著名な詩人王勃の兄にあたる。

経歴の概要

王勮は、若い頃からその才能を発揮し、進士として試験に合格し、太子典膳丞に任命される。彼の経歴は、当時の中国社会において重要な位置を占めていたことが伺える。

長寿年間には鳳閣舎人に任じられ、重要な儀式に出席する機会を得る。特に、寿春王李成器や衡陽王李成義ら五王が集まった授冊の儀式では、役人が冊文を載せ忘れるというハプニングが発生する。このとき王勮は、迅速に5人の官吏を呼び出し、即興で文章を作成させることで、儀式の進行を円滑に進めることができた。この機転の良さは、彼の才能を象徴するものであり、多くの人々から称賛を受けた。

その後、王勮は弘文館学士の位を加えられ、天官侍郎も兼任するようになる。彼の政治的なキャリアは、学問と実務を兼ね備えたものであり、当時の文人としての理想像を具現化していたと言える。

処刑とその後

しかし、王勮の運命は急変する。万歳通天2年（697年）には、綦連耀の乱に連座し、兄の王勔と共に処刑されてしまう。この出来事は、当時の政情不安や権力闘争が影響していると考えられる。王勮の突然の死は、その後の文人たちにも影響を与えたに違いない。

その後、神龍元年（705年）には官位が追復されることとなり、彼の功績が再評価されることになる。この復職は、王勮が持っていた才覚が多くの人々に認められた証でもある。

伝記資料

王勮に関する詳細な情報は、『旧唐書』や『新唐書』に記録されている。『旧唐書』の巻190には列伝第140上、文苑上として彼の業績が記述されており、また『新唐書』の巻202の列伝第127、文芸中にも彼の功績が述べられている。このように、王勮は唐代の文化と文学において重要な人物であり続ける存在である。

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