王シュレット事件

王シュレット事件について

王シュレット事件は、2003年に放送されたフジテレビ系列のバラエティ番組『ワンナイR&Ｒ』のコーナーで放送された、王貞治監督に対する侮辱的なコントから発生した問題です。この事件は、福岡ダイエーホークス（現在の福岡ソフトバンクホークス）の監督である王貞治についての配慮の欠如が、視聴者やその関係者の間で大きな波紋を呼びました。

コントの内容と放送経緯

2003年8月13日に放送された『ワンナイR&Ｒ』のコーナー「ジャパネットはかた」では、山口智充と宮迫博之が王貞治の顔の模型を使い、便器の中に設置されたウォシュレットを紹介するコントを展開しました。このウォシュレットは、王がホームランを打つ際のスイングに合わせて水が噴射されるという内容でした。このような内容は、当時の王監督に対する侮辱的なものであり、すぐに批判の矢面に立たされることとなりました。

放送後、福岡ダイエーホークスの球団側からフジテレビへ抗議があり、結果的にフジテレビは王監督及び球団に謝罪しました。しかし、これによる影響は大きく、8月19日にはダイエー球団の高塚猛オーナー代行が、日本シリーズ中継にフジテレビ系列を推薦しない意向を表明したため、その後の放送権を取得したテレビ東京によって日本シリーズが放送される事態となりました。

反響とその後の影響

このコントに対する反発は、他のプロ野球チームにも波及し、阪神球団もフジテレビ系列局を推薦しないという決定を下しました。さらに、放送局だけでなく、スポンサー企業からも不満の声が上がり、東陶機器（後のTOTO）やジャパネットたかたが『FNNスーパーニュース』などの番組から広告を降板する事態に至りました。

また、この事件を受けて『水10!』では、番組名が変更されたり、スポンサーの提供クレジットが自粛されるなど、影響は番組そのものにまで及びました。王監督は事件に冷静に対応し、自分は直接映像を見ていないが、報告を受けているとしつつ、「球団に任せている」と述べました。

一方、芸人の明石家さんまはインタビューでこの事件について触れ、コントの出演者に対して擁護する発言も行いました。さらに、この問題が放送後の数週間に渡り、視聴者からの苦情や批判が相次ぎ、謝罪が行われたもののが、その時間が短いとの声もあり、フジテレビに対する不満は収まりませんでした。

その他の影響

王シュレット事件だけでなく、同時期に放送された他のコントでも、視聴者からの苦情が寄せられ、問題が拡大することとなります。特に、妊婦をネタにしたコントに対しては、視聴者から厳しい意見が寄せられ、製造元の和光堂も苦情を表明するなど、企業イメージへの影響も懸念される事態となったのです。

このように、王シュレット事件は単なるコントの一場面から始まった騒動であり、その影響は広範囲に及ぶ結果となりました。明確な謝罪を求める視聴者の声や、企業からの抗議が相次ぎ、テレビ業界が抱える課題を浮き彫りにした重要な出来事となったのです。

もう一度検索