王叔

王叔（おうしゅく）は、春秋時代に存在した諸侯国の一つです。国君は周王室と同じ姫姓を名乗っていました。その始まりは、周の釐王の子である文公が封じられたことに遡ります。王叔の領地は、現在の河南省洛陽市孟津区の南西に位置しており、この地域を中心に勢力を築いていました。

王叔は、歴代の君主が周王室の卿士を務めるという重要な役割を担っていました。これは、王叔が周王室と非常に密接な関係にあったことを示しています。周王室の権威を背景に、王叔は一定の政治的影響力を持っていたと考えられます。

しかし、王叔の歴史は、内部の権力闘争によって終焉を迎えます。魯の襄公10年（紀元前563年）に、王叔陳生と伯輿の間で実権を巡る争いが激化しました。周の霊王は伯輿を支持したため、王叔陳生は不利な立場に立たされます。最終的に、王叔陳生は晋へと出奔し、これにより王叔は滅亡することとなりました。

以下は王叔の歴代君主です。

文公
桓公
* 王叔陳生

王叔は、周王室の一員として誕生し、周王室を支える役割を担っていましたが、内紛によって滅亡するという悲劇的な結末を迎えました。その短い歴史は、春秋時代の諸侯国の興亡の一例として、歴史の中に刻まれています。

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