王子電気軌道200形電車

王子電気軌道200形電車

王子電気軌道200形電車は、1927年から1930年にかけて製造された、東京都内で運行されていた路面電車車両です。この電車は、王子電気軌道が初めて導入した半鋼鉄製の高床式ボギー車であり、木造のボギー車からの進化を象徴しています。製造は合計で23両行われ、番号付けは元号表記の下1桁から取得されたため、当時の他の型式よりも若い番号が付けられました。この車両は、1942年に東京市電に統合される際、150形、160形、170形の3つの形式に改番されました。

150形

150形は7両（151号から157号）が在籍していました。元々の番号は田中車輛で製造された201号から207号です。1946年には154号が川崎市電に譲渡されました。その後、1948年には155号から157号が再編成され、他の形式とともに新しい番号が与えられました。1950年には157号が改造のために廃車となり、1952年には残る6両も改造のために廃車となりましたが、当時の車体は他の交通機関に譲渡されて新たな活躍を始めました。特に、江ノ島鎌倉観光には3両が譲渡され、その一部は連接車に改造されて1992年まで使用されました。

160形

160形は8両（161号から168号）が在籍していました。こちらは日本車輌で製造された208号から215号が元の番号です。この形式は引き継ぎ当初から事故による休車があったため、163号が川崎市電に譲渡されることとなりました。1948年には改番が行われ、いくつかの番号が再編成されました。1955年から1956年にかけて外板の改修が行われましたが、1967年から1968年にかけて全車両が廃車となりました。160形から3000形への改造種車は出ておらず、数少ない借用の中で特に注意が必要です。

170形

170形も8両（171号から178号）が在籍し、元の番号は川崎車輛が製造した216号から223号です。1946年には176号が川崎市電に譲渡された経緯があります。1948年の改番では178号が改番されました。1953年には174号と177号が3000形への改造種車となり、174号の車体は江ノ島鎌倉観光に譲渡されました。それ以外の5両は1970年代初頭に外板改修がなされましたが、1967年から1968年にかけて全車両が廃車となりました。

保存車両について

王子電気軌道200形電車の中で、175号は栃木県の宇都宮市に位置する三和テッキ宇都宮事業所で屋内保存されており、見学の際には事前に予約が必要です。この車両は2008年に大規模な修復が施され、当時の外観をほぼ再現しています。これにより、王子電気軌道200形電車の歴史を知る上でも貴重な存在となっています。

基本データ

• - 軌間：1372mm
• - 全長：11,888mm（150形）、11,886mm（160形）、11,887mm（170形）
• - 全幅：2,337mm
• - 全高：3,555mm（150形）、3,580mm（160形）、3,607mm（170形）
• - 定員：86名（座席20名）
• - 自重：18.3t

このように、王子電気軌道200形電車は、その独自の歴史と改番の過程を経て、現在でも多くの人々に愛され続ける存在となっています。

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