王座戦 (将棋)

王座戦について

王座戦（おうざせん）は、日本経済新聞社と日本将棋連盟によって主催される将棋の重要なタイトル戦の一つである。この棋戦は1953年に一般棋戦としてスタートし、その後1983年にタイトル戦へと昇格した。王座戦の名前の由来は棋士の花村元司が考案したもので、将棋の歴史の中でも特に重要な位置を占める。このタイトルを持つ棋士は、日本将棋界における名誉や威信を象徴する存在となる。

方式

王座への挑戦権を得るためには、一次予選、二次予選、そして挑戦者決定トーナメントの3つの段階を経る必要がある。最後に王座と挑戦者が五番勝負を行い、勝者が王座のタイトルを手にする。予選にはシード枠があり、過去の実績を持つ棋士や女流棋士がその対象となる。

持ち時間は全ての対局で各5時間であり、第67期からはチェスクロック方式が導入されている。2021年2月以降、女流棋士が挑戦者決定トーナメントでベスト8に進出した場合は、棋士編入試験を受ける権利を得ることが決定された。

一次予選

一次予選には、シード者以外の棋士（C級1組以下）と、女流棋士から選ばれた4名が参加し、トーナメント方式で進行する。ここから合計6名が二次予選へと進出する。

二次予選

次に、一次予選を勝ち抜いた6名とシードされている棋士が集まり、再度トーナメントを行う。このステージでは、挑戦者決定トーナメントに進出できる枠数が年々変動し、通常は約10枠が設けられる。

挑戦者決定トーナメント

二次予選の勝者とシード者によるトーナメントで、勝者は王座と五番勝負を行う権利を得る。挑戦者決定戦は午前9時に開始されるため、観戦者にとっても注目の対局となる。

王座戦五番勝負

五番勝負は全国各地のホテルや料亭などで実施され、観戦者を魅了する。休憩時間は昼食休憩と夕食休憩が設定されており、これも棋戦の魅力の一つである。そして、対局の模様はABEMA将棋チャンネルやParaviなどで生中継され、多くのファンに楽しまれている。

歴史とエピソード

王座戦が創設される際には、将棋と囲碁の王座戦が同時に立ち上げられ、これには多くの棋士たちが影響を与えた。例えば、大野源一は62歳で挑戦権を獲得し、60代での番勝負進出という快挙を成し遂げている。

また、羽生善治は長年にわたって王座戦を保持し続け、その記録は数々の将棋ファンに知られている。彼が福崎から王座位を奪取して以降、19期連続でのタイトル保持は注目され、非常に珍しい記録としてファンの記憶に刻まれている。

名誉王座

名誉王座は、王座戦を連続5期または通算10期以上保持した棋士に与えられるもので、中原誠と羽生善治がこの栄誉に名を連ねている。名誉王座という称号は他のタイトル戦とは異なり、満60歳に達した棋士にも名乗る権利があるため、現役選手でもこの名を持つことができる。

まとめ

王座戦は日本将棋界における重要なイベントであり、将棋ファンのみならず多くの人々に愛されている。その歴史や仕組みは、将棋の深い魅力を物語っており、一年ごとに新たな息吹を吹き込んでいる。これからも王座戦の動向には、多くの期待が寄せられることだろう。

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