王真 (明)

王真（おう しん、生年不詳 - 1402年）は、明朝初期に活躍した武将です。西安府咸寧県出身であり、その生涯は、後の永楽帝となる燕王朱棣に深く関わっています。

彼は当初、燕王朱棣に仕える武将として頭角を現し、その武功が認められて燕山右護衛百戸という役職に昇進しました。朱棣は王真を非常に信頼しており、「諸将は王真のように奮戦せよ。そうすれば、成し遂げられないことはないだろう」と述べたと伝えられています。この言葉からも、朱棣が王真に寄せていた期待と信頼の厚さが窺えます。

建文元年（1399年）に勃発した靖難の変において、王真はその武力を遺憾なく発揮し、燕王軍の勝利に大きく貢献しました。靖難の変は、当時の皇帝であった建文帝と、その叔父である燕王朱棣との間で繰り広げられた内戦です。この戦いの中で、王真は数々の戦功を上げ、その勇猛果敢な戦いぶりは多くの人々に称えられました。

しかし、建文4年（1402年）3月、宿州での戦いにおいて、王真は運命の時を迎えます。燕軍は、平安率いる建文帝軍との激戦に敗れ、王真は敵に捕らえられ殺害されることを恐れ、自ら命を絶ちました。この悲劇的な最期は、彼の武将としての誇りと、置かれた状況の厳しさを物語っています。

その後、朱棣は靖難の変を制し、永楽帝として即位します。永楽帝となった朱棣は、王真の生前の忠義を深く偲び、彼を金郷侯として追封し、さらに忠壮という諡号を贈りました。これらの措置は、王真の功績を称え、その死を悼むものであり、永楽帝が彼に寄せていた特別な思いが表れています。

王真の生涯は、明朝初期の動乱期を象徴するものであり、彼の武勇と忠誠心は後世に語り継がれることとなりました。彼の名は、明史の列伝にも記録されており、その功績と人となりは、歴史の中で永遠に刻まれています。

参考文献
* 『明史』巻145 列伝第33

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