王立サン・フェルナンド美術アカデミー

王立サン・フェルナンド美術アカデミー

王立サン・フェルナンド美術アカデミー（Real Academia de Bellas Artes de San Fernando）は、スペインのマドリード中心部に位置する、美術教育と展示を目的とした学校及び美術館です。1744年に王令によって設立され、フェルナンド6世の時代の1752年には、絵画、建築、彫刻の分野で活動を始めることとなりました。

歴史の流れ

このアカデミーは啓蒙時代に発祥し、当初は王立サン・フェルナンド三大芸術アカデミーとして多様な芸術分野を育成してきました。約20年後、国王カルロス3世がバロック様式の邸宅を購入し、建築家ディエゴ・デ・ビリャヌエバに改装を依頼します。ビリャヌエバはこの旧邸宅のバロック要素を取り払い、新古典主義様式に生まれ変わらせました。

1873年には現在の名称に改称し、それに伴って音楽部門も設立されました。この美術アカデミーの中には美術館や画廊も併設されており、15世紀から20世紀にかけての著名な画家たちの作品を展示しています。また、同じ建物内にはマドリード美術アカデミーの本部が設けられています。

著名な人物

アカデミーの歴史に名を刻む重要な人物として、フランシスコ・デ・ゴヤが過去にアカデミーのディレクターを務めており、彼の影響力は現在も色濃く残っています。この場で学んだ著名な芸術家には、パブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、フェルナンド・ボテロなどが存在し、彼らはアカデミーの名を世界に広める要因ともなりました。

美術館の役割

美術館の役割は、絵画の指導と保存だけでなく、過去のスペイン宰相マヌエル・デ・ゴドイの美術コレクションをはじめとする、スペイン絵画やゴヤの作品、さらにはイタリア絵画を常設展示することにあります。特に18世紀の作品を中心とした彫刻コレクションは、訪れる人々にその豊かな歴史と美術の魅力を伝えています。

結論

王立サン・フェルナンド美術アカデミーは、長い歴史を有し、国際的な美術教育の中心地としての役割を果たし続けています。アカデミーの持つ豊富なコレクションと歴史的背景から、訪れる人々にとって貴重な文化体験を提供しています。

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