王簡姫

王簡姫（おう かんき）は、東晋時代の人物で、簡文帝の正室です。彼女は、孝武帝によって順皇后と追尊されました。本貫は太原郡晋陽県にあり、父は王遐です。

生涯

王簡姫は、名門士族の出身であり、会稽王司馬昱（後の簡文帝）に嫁ぎ、正室となりました。司馬昱との間に、司馬道生を産みました。しかし、司馬道生は素行が悪く、粗野で礼儀に欠ける振る舞いが多かったため、父である司馬昱の怒りを買い、王簡姫自身も夫から顧みられなくなってしまいました。

永和4年（348年）、司馬道生は廃嫡され、王簡姫も共に屋敷から追放されるという不遇をかこちました。そして、同年、王簡姫は失意のうちに亡くなりました。

その後、司馬道生の庶出の弟である司馬曜（孝武帝）が即位すると、王簡姫は順皇后の諡号を贈られ、簡文帝の陵に改葬されました。これは、孝武帝が王簡姫の不遇な生涯を悼み、その名誉を回復するための措置だったと考えられます。

王簡姫の生涯は、名門の出身でありながらも、夫や息子との関係に苦しみ、不遇のうちに終わった悲劇的なものでした。しかし、死後に皇后として追尊されたことは、彼女の名誉が回復されたことを意味します。

伝記資料

* 『晋書』巻32 列伝第2 后妃下

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