王衍 (前蜀)

王衍（おう えん）は、五代十国時代の前蜀の第2代（最後）の皇帝であり、一般には後主として知られています。

生涯

高祖王建の十一男として成都で生まれ、鄭王に封じられました。当初、次兄の王宗懿が立太子されていましたが、母である徐賢妃が王建の寵愛を受けるようになると、王衍が太子に立てられました。

918年、王建の崩御により帝位に即位しますが、王衍は国政を宦官の宋光嗣らに任せ、自身は奢侈と道楽にふける日々を送りました。政治は腐敗し、民衆の心は離れていきました。

925年、後唐の荘宗李存勗による攻撃を受け、成都は陥落。王衍は後唐軍に降伏し、ここに前蜀は滅亡しました。

滅亡後、王衍は通正公に封じられましたが、長安へ送られる途中の秦川駅において、李存勗によって一族もろとも殺害されました。李存勗は、王衍が後に禍根となることを恐れたため、このような措置を取りました。王衍の死後、後唐の明宗李嗣源により順正公として追封されました。

家族

王衍には多くの妻妾がいました。

皇后：高氏
貴妃：金飛山
元妃：韋氏（徐賢妃の兄弟の娘）
貴妃：銭氏
順妃：蘇氏
昭儀：李舜弦
宮人：李玉簫
宮人：劉氏

また、以下の子どもたちがいました。

男子：王承祧
男子：王承祀

しかし、彼らは皆、李存勗によって処刑されました。

王衍は、幼少の頃から皇位を約束され、贅沢な生活を送りました。しかし、皇帝としての資質に欠け、政治を顧みず、前蜀を滅亡へと導きました。彼の生涯は、栄華を極めた者が、いかにして没落していくのかを物語る教訓として、歴史に刻まれています。

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