王詵

王詵（おう しん）の生涯と業績

王詵（おう しん）は1048年に生まれ、1104年に亡くなった北宋時代の著名な画家です。彼は太原郡晋陽県を本貫とし、字は晋卿と呼ばれています。また、王詵は明恵帝姫、すなわち北宋の英宗の次女の夫でもあります。

略歴と背景

王詵は、宋初の将軍である王全斌の五世の孫にあたります。彼は幼い頃から絵画の才能を発揮し、雅やかな風貌と独特のスタイルで、少年期にはすでに周囲から高く評価されていました。彼は時の著名な芸術家、蘇軾、黄庭堅、米芾、蘇轍、秦観などと親交を結び、これらの芸術家との交流が彼の画風に大きな影響を与えました。

王詵の作品は、特に情緒豊かな風景画として知られています。彼は水墨を巧みに用いて山水煙雲を描き、それに盛唐の重彩技法も取り入れることで、伝統的な技法の中に新たな創造性を見出しました。その結果、彼は自らの清麗な画風を確立しました。

結婚と栄達

熙寧2年（1069年）、王詵は蜀国の長公主と結婚し、駙馬都尉や左衛将軍に任命されました。この結婚生活は王詵にとって非常に重要であり、彼は公主の愛情を受けて、自由な生活を享受しました。しかし、そんな穏やかな日々は長続きしませんでした。

元豊2年12月26日（1080年）には、王詵は職を失うことになりますが、公主が病に倒れた際に彼女の求めに応じて復職します。しかし、5月に公主が亡くなると、王詵は複数の侍女との不適切な関係が発覚し、再び職を解かれ、均州へ追放されることになりました。

元豊7年（1084年）には潁州へ再度追放され、元祐元年（1086年）には登州へ移されるなど、多くの苦境を味わいました。

復権と晩年

その後、徽宗の勧めにより復帰し、開国公に封ぜられましたが、王詵の人生は波乱に満ちていたことは否めません。57歳でこの世を去った後、彼は「栄安」という諡号を贈られました。

子供と作品における登場

王詵には王彦弼という子供がいましたが、残念ながら夭折してしまいました。また、彼は後の文学作品『水滸伝』において「小王駙馬」として描かれるなど、その名声は絵画にとどまらず、幅広い分野に影響を与えました。

参考文献

王詵に関する情報は『宋史』や『宋会要輯稿』、『清河書画舫』、そして『宣和画譜』など多くの文献に記録されています。彼の作品や生き様は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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