王道隆

王道隆について

王道隆（おう どうりゅう、生年不詳 - 474年）は、南朝宋において著名な官僚で、特に明帝に寵愛されたことで知られています。彼の出生地は呉興郡烏程県であり、その経歴は多様です。

初期の経歴

王道隆は、最初は主書書吏という役職に就いていましたが、その後、主書に昇進します。これは、彼が官職において一定の影響力を持ち始めたことを示しています。湘東王劉彧が彭城に駐屯する際には、道隆はその下で典籤として任務につき、内監を代行しました。この時期、彼は王の信任を得るために多くの工作を行ったと考えられています。

明帝の即位と政権の中枢へ

泰始元年（465年）に明帝劉彧が即位すると、王道隆は呉平県侯に封じられ、さらに、阮佃夫や楊運長、李道児とともに政権の中枢に入ります。この時期、道隆は南台侍御史としての職務を務め、その後員外散騎侍郎および南蘭陵郡太守に任命されるなど、順調に昇進を続けました。

皇太子への近侍

泰始2年（466年）には中書通事舎人を兼任し、さらに泰始5年（469年）には皇太子である劉昱に近侍することになります。この役割は、王道隆がいかに重要な立場にあったかを示しており、当時の政治においても彼の影響力は増していきました。

軍事的出動と最期

しかし、泰豫元年（472年）に後廃帝（劉昱）が即位すると、王道隆は太子翊軍校尉から右軍将軍へと昇進しました。この役職を維持しながらも、政局の不穏さは続いていました。

元徽2年（474年）、桂陽王劉休範の乱が勃発し、王道隆は羽林の精兵を率いて反乱鎮圧に出動します。しかし、彼は劉勔の指揮する作戦に従わず独自の判断で行動した結果、反乱軍に敗北し、その追撃を受けて命を落としました。彼の死後、輔国将軍および益州刺史の位が追贈されることとなります。

その後の家族と影響

王道隆の子、王法貞も政界に関与しましたが、南朝斉の成立に伴い、その封は剥奪されてしまいました。王道隆の政治的な影響は短命でしたが、彼の存在は南朝宋の歴史において重要な位置を占めています。彼の業績や失敗から、後世に多くの教訓が与えられることとなりました。

参考文献

• - 『宋書』巻94 列伝第54
• - 『南史』巻77 列伝第67

もう一度検索