珠江タワー

珠江タワー（しゅこうタワー）

珠江タワーは、中国広州市天河区にそびえる高さ309.6メートル、71階建ての超高層ビルです。このビルは、金穂路と珠江西路の交差点に位置し、ネオフューチャリズムの建築様式を採用しています。設計は、アメリカの著名な建築事務所スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル（SOM）によるもので、建築家エイドリアン・スミスとゴードン・ギルが携わっています。彼らは上海のジンマオタワーやドバイのブルジュ・ハリファなど、大規模な建築物の設計で知られる存在です。

建設の経緯

珠江タワーの建設は2006年9月8日に始まり、2011年3月に完成しました。主にオフィスとして利用されており、特に中国タバコがこの建物の主要なテナントです。また、このタワーは環境に優しい設計が施されており、持続可能性を重視した設計方針が特徴です。

環境への配慮

珠江タワーの設計には、自然エネルギーを活用するための多くの工夫が盛り込まれています。例えば、風力発電機や太陽光パネル、上昇フロア換気の設備などが導入されており、これにより省エネルギーの効果が期待できます。建物の設計は、エネルギー効率の向上を目指すもので、世界で最も環境に優しい建物の一つとも称されています。

さらに、このタワーは次のような持続可能なデザインの成果を上げています:

• - 世界最大の熱放射冷房システムを備えたオフィスビル
• - 構造上、非常にエネルギー効率の高い超高層ビル

中国政府は、2020年までに二酸化炭素排出量を2005年時点と比較して40〜45%削減する目標を掲げていますが、珠江タワーはその成功例の一つとなることでしょう。2008年に発表されたある報告では、この建物の持続可能な設計により、一般的な建物と比較して58%のエネルギー削減が実現されたとのことです。

珠江タワーはカーボンニュートラルの状態にあるとされ、導入されたマイクロタービンによって地域に電力を供給する能力を備えています。しかし、広州の電力会社の規制により、独立した施設がエネルギーを販売することができず、これが設計段階でのマイクロタービン導入を妨げる要因となりました。それでも、これらの設備があれば、勤務時間外に余分な電力を生み出すことができる潜在能力を秘めています。

時系列で見る建設の歴史

• - 2005年秋: デザインコンペティション実施。
• - 2006年9月8日: 起工式。
• - 2006年11月: 建設開始。
• - 2007年7月18日: 建設入札実施。
• - 2008年1月: 基礎工事がスタート（-26.2メートル地点）。
• - 2008年8月: 地上階の建設が完了。
• - 2009年4月: 15階に到達（80.6メートル）。
• - 2009年11月: ガラスカーテンウォールを取り付け。
• - 2009年12月: 上部ウィンドタービン階に達成。
• - 2010年3月28日: 最上部が完成。

このように、珠江タワーは高層ビルとしての技術的革新と、環境への配慮を両立させた建物として位置づけられています。

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