現代教養文庫

現代教養文庫の概要

現代教養文庫（げんだいきょうようぶんこ）は、社会思想社によって設立された文庫シリーズで、1951年の第2次文庫本ブームの際に創刊されました。この文庫は、主に人文科学系の書籍やミステリーを特集しており、特に1980年代のゲームブックブームで有名なファイティング・ファンタジーシリーズを多く出版していたことでも知られています。しかし、2002年6月に社会思想社が廃業したことに伴い、現代教養文庫もその幕を閉じました。

出版のジャンル

現代教養文庫は様々なジャンルの書籍を提供しており、背表紙に記されたマークによって分類されています。具体的には以下のようなカテゴリーに分かれています：

• - 黄A - 人文科学
• - 鼠B - 社会科学
• - 青C - 自然科学
• - 白D - 文学・芸術・読物
• - 赤E - 趣味・生活文化
• - 緑F - ミステリ・ボックス

また、教養カラー文庫という独自のシリーズも刊行されていました。

代表的な作品

この文庫からは多くの著名な作品が出版されており、特に人文科学においては以下のようなタイトルがあります：

• - ルース・ベネディクト『菊と刀』
• - アーノルド・J・トインビー『歴史の研究』
• - バートランド・ラッセル『哲学入門』

自然科学の分野からは、以下の作品が挙げられます：

• - A. サトクリフ『エピソード科学史（全4巻）』
• - アルカジイ・レオクム『ポケットサイエンス（全5巻）』

文学・芸術・読物ジャンルからも多くの名作が綴られ、例えば夢野久作の『ドグラ・マグラ』や小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』などが出版されています。

ゲーム書籍とミステリー

1980年代にはゲームブックブームが起こり、現代教養文庫はその先駆けとして様々なゲームブックを展開しました。中でも「火吹山の魔法使い」から始まるファイティング・ファンタジーシリーズは特に人気を集めました。その後、トンネルズ＆トロールズのようなテーブルトークRPGも刊行されました。

ミステリに関しては、1990年から始まった専門レーベル「ミステリ・ボックス」が多くの翻訳ミステリー作品を提供し、エリス・ピーターズの『修道士カドフェルシリーズ』などが代表作として知られています。

電子書籍化

2012年から2013年にかけて、現代教養文庫の多くの作品が電子書籍として再刊され、『現代教養文庫ライブラリ』として多くの読者に親しまれています。この時期に、時代の変化に応じた新たな形で、かつての名作が再び人々の手に渡ることとなったのです。

結論

現代教養文庫は、社会思想社による様々な書籍を通じて、幅広いジャンルの知識と楽しみを提供しました。その多様な作品は、今でも多くの人々に読み継がれています。

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