現代演劇協会

現代演劇協会について

現代演劇協会（Institute of Dramatic Arts、略称DARTS）は、1963年に設立され、2013年に解散した日本の著名な芸術団体です。この協会は、演劇を通じて新たな表現の可能性を追求することを目的としていました。

設立の背景と目的

1963年1月、同団体の設立構想が新聞で報じられると、その理念には文芸評論家の福田恆存が大きな影響を与えました。設立に先立ち、福田を中心に半年以上もの間、構想が議論されていました。その同じ日に、当時「文学座」に所属していた29人の俳優たちが協会への参加を表明するために脱退届を提出し、新しい芸術運動を実現するための基盤が整いました。

午後には記者会見が行われ、福田はその場で創立の声明を読み上げ、演劇界における新たなページを開くことを宣言しました。幅広い文化活動と総合的な演劇事業の展開が強調され、具体的には公演活動の推進や、海外演出家の招致、日本人演出家との共同作業、また新たな研究の場としてのアクターズ・スタジオ設立が掲げられました。

主要な活動

この協会は、附属劇団として『雲』や『欅』、さらに『昴』を持ち、演劇活動の幅を広げていきました。また、『三百人劇場』という専用劇場も運営し、1974年から2006年まで様々な公演が行われました。最初の公演は1963年に砂防会館ホールで上演された『夏の夜の夢』であり、以降、多くの観客を魅了しました。

演劇教育にも力を入れ、1981年には福田恆存が演劇理論に関する著作を発表。これをもとに、総論や戯曲論など、多様なテーマに基づいた教科書的な資料を整備しました。また、1993年からは英国の王立演劇学校（RADA）から俳優教育担当者を招聘し、長期にわたり日本の演劇界に共通の演技技術を紹介する素晴らしい機会を提供しました。

この一環として、初年度には校長のニコラス・バーターが日本でワークショップを行い、演技の新しい視点を提供しました。これは、日本の俳優たちが演技について再考し、国際的な舞台で通用する技術を身につけるための重要なステップとなりました。

解散とその後

現代演劇協会は、2013年11月に解散を決定しました。活動を通じて得た残余財産は、公益財団法人『新国立劇場運営財団』に寄付され、引き続き演劇の発展に貢献することとなりました。協会の活動は、日本の演劇界に新たな視点を提供し、数多くの才能を育む重要な役割を果たしてきたのです。

この協会の歩みを振り返ることは、日本の現代演劇の発展を理解する上で欠かせないでしょう。その理念と活動は、今なお多くの演劇人たちに影響を与えています。

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