理科ハウス

理科ハウスの魅力

概要

理科ハウスは、神奈川県逗子市池子に位置する私設の科学館で、2008年5月に開館しました。この館は、世界一小さな科学館を自称し、来場者が体験を通じて科学に親しむことを目指しています。館長の森裕美子さんと学芸員の山浦安曇さんが運営するこの施設は、年々多くの人々に支持されています。

館内は、狭いながらも充実した展示が特徴で、入館者が約30人に達するとほぼ満員になります。入館料は、今は大人300円、中学生以下は無料で楽しめます。訪問者にはスタッフが展示案内を行うため、濃厚な体験を提供しています。例えば、入館料徴収機には永久磁石が組み込まれており、硬貨の種類によってその落下位置が変化するなど、科学のギミックを活かしたユニークな設計がなされています。

施設の構造

理科ハウスは、独特な建物形式を採用しており、300年住宅をコンセプトにした型枠コンクリートブロック造外断熱工法で建設されています。従来のブロック造とは異なり、壁式鉄筋コンクリート造に近い構造です。1階には受付、企画展示場、ショップ、貸し出し用の図書コーナーがあり、2階には体験型のワークショップが行えるスペースがあります。また、屋上ではたまに天体観察会が開催されることもあります。

コレクションと教育

この科学館の特別なコレクションとして、館長の森裕美子さんの祖父である石原純に関する資料が豊富です。石原はアインシュタインを日本に紹介した著名な物理学者であり、その蔵書や書簡などの資料が展示されています。このことは、館の教育的役割をより深め、訪れる人々に科学の魅力を伝える要素となっています。

森さん自身はもともと大阪で数学を教えており、結婚を機に逗子に移住しました。彼女が理科ハウスの設立に至った背景には、祖父の子ども向けに著した名著『ぼくらの実験室』の精神が色濃く影響しています。子供たちに科学の楽しさを伝えたいという思いから、このような施設を作り上げました。そして、この運営費用には、義父である森一郎氏の遺した印税も役立てられています。

親子向けの科学体験

理科ハウスのプログラムは、主に小学校3年生以上の子供を対象にしており、中学生までが楽しむことができますが、大人も楽しめる内容が用意されています。狭い館内では、多様な標本や実験器具が所狭しと並べられ、訪れる人は実際に触れたり体験することで科学への興味をひき立てられます。また、科学的なゲームも多く取り入れられていて、楽しみながら学ぶことができます。さらに、館長と学芸員による出張サイエンスショーやワークショップも行っており、地域のイベントにも積極的に参加しています。

開館時間とアクセス

理科ハウスは、通常13時から17時30分まで開館しており、月曜と金曜は休館日です。そのほか、特別なイベントや企画展の準備による臨時休館があるため、訪問前に確認することをお勧めします。

アクセスについては、京急逗子線の神武寺駅からは徒歩約6分、JR横須賀線の逗子駅からは徒歩15分ほどで到達できます。他にも、さまざまな方面からバスを利用してのアクセスも可能です。

受賞歴と休館

理科ハウスは2018年に科学ジャーナリスト賞の特別賞を受賞しており、その名声を利用してさらなる充実したプログラムを提供しています。同年9月にはこれまでの活動を振り返るための休館を行い、2019年5月に再開しました。これからも多くの人々に科学の楽しさを伝える理科ハウスの活動に、注目が集まります。

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