琉球開発金融公社

琉球開発金融公社について

琉球開発金融公社（りゅうきゅうかいはつきんゆうこうしゃ、Ryukyu Development Loan Corporation）は、1959年に琉球列島米国民政府布令に基づき設立された公社です。米国民政府の出資により、当時の沖縄における唯一の長期設備資金を融資する金融機関として、その役割を担いました。それまで存在した「琉球復興金融基金」を発展的に解消し、沖縄の復興と経済発展を金融面から支えることを目的としていました。

設立の背景

第二次世界大戦後、沖縄はアメリカの統治下に置かれ、経済復興が急務となっていました。その中で、長期的な設備投資を支援する金融機関の必要性が高まり、琉球開発金融公社が設立されました。

公社の主な業務

琉球開発金融公社は、主に以下の貸付業務を行っていました。

琉球開発金融公社貸付: 重要事業に対する貸付を行っていました。
PL480貸付: アメリカの余剰農産物の輸入による売上回収金を原資とした、畜産業振興のための貸付を行っていました。これは、米国公法第480号「農産物貿易振興法」に基づき、アメリカの余剰農産物を輸入し、その売却益を資金として活用したもので、琉球開発金融公社が窓口となっていました。

沿革

1959年10月1日: 琉球開発金融公社が発足しました。
1960年1月1日: 営業を開始しました。
1962年3月21日: PL480計画の導入作業に着手しました。
1964年2月1日: PL480資金の貸付業務を開始しました。
1969年11月30日: 本社が移転しました。
1970年8月18日: 日本復帰に向けて、日本政府による資産評価作業が開始されました。
1972年5月15日: 沖縄が日本に復帰し、琉球開発金融公社の業務は沖縄振興開発金融公庫に引き継がれ、公社は解散しました。

歴代幹部

歴代理事長

初代: ライマン・C・ハミルトン (1959年10月5日～1960年2月28日)
2代: オーバ・F・トレイラー (1960年4月11日～1965年9月30日)
3代: サムエル・C・オグレスビー (1965年10月1日～1966年4月30日)
4代: エドワード・H・リーブス (1966年5月1日～1969年6月29日)
5代: メルビン・J・ラーセン (1969年6月30日～1970年11月16日)
6代: エドワード・E・ベネット大佐 (1970年11月17日～1971年5月12日)
7代: ブルース・T・フォールズ大佐 (1971年5月13日～1971年11月14日)
8代: モーリス・D・ラウシ大佐 (1971年11月15日～1972年5月14日)

歴代総裁

初代: 瀬長浩 (1959年10月5日～1959年11月2日)
2代: 宝村信雄 (1959年11月2日～1968年5月4日)
3代: 照屋輝男 (1968年5月5日～1972年5月14日)

PL480資金について

PL480資金は、アメリカの余剰農産物を活用した貸付制度で、沖縄の農業振興に重要な役割を果たしました。この資金は、農産物の輸入代金として得られたもので、その資金が琉球開発金融公社を通じて貸し付けられました。

まとめ

琉球開発金融公社は、沖縄の経済復興と発展に大きく貢献した金融機関です。その活動は、沖縄の復興過程における重要な要素であり、現在の沖縄経済の礎を築く上で欠かせないものでした。公社の業務は沖縄振興開発金融公庫に引き継がれましたが、その歴史と功績は、沖縄の金融史において重要な位置を占めています。

参考文献

琉球開発金融公社編『琉球開発金融公社10年史』琉球開発金融公社、1972年

関連項目

沖縄振興開発金融公庫
琉球政府
琉球列島米国民政府
* 公社

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