瑞輪寺 (台東区)

瑞輪寺の概要



瑞輪寺(ずいりんじ)は、東京都台東区谷中にある日蓮宗の本山で、山号は慈雲山です。旧本山である身延山久遠寺に由来し、潮師法縁の中心寺院としても知られています。1736年に創立されたこの寺院は、歴史的に多くの出来事を経験してきました。

沿革



瑞輪寺の設立は1591年に遡ります。当初は馬喰町に創建され、1601年に神田へ移転。その後、1649年に現在の台東区に位置する場所へと移転しました。

歴史の中でこの寺は、1856年の台風による被害や、1868年上野戦争による全山焼失という試練を経験しました。これらの困難を乗り越え、2006年に中本山から本山に昇格し、現在では浄延院、躰仙院、正行院、久成院、本妙院といった塔頭も備えています。

江戸時代には身延山久遠寺の善立寺や宗延寺と共に、江戸触頭として名を馳せていました。また、江戸十大祖師の一つとして、除厄や安産飯匙をもたらす寺院とされています。

押尾川の乱



瑞輪寺は、1975年3月28日に発生した「押尾川の乱」の舞台としても有名です。この乱は、大相撲の後継者争いが原因で発生しました。当時の二所ノ関親方が亡くなり、後継者が名乗りを上げる中で、押尾川親方と金剛がいずれも後継者になろうとして問題が長引くこととなりました。

この結果、押尾川親方は支持する力士16名を連れて瑞輪寺に籠城し、部屋の独立を求めました。その後、相撲協会の介入を経て9月場所後に押尾川部屋が創設され、争いは一旦の決着を見ました。

寺宝と文化財



瑞輪寺には多くの貴重な寺宝が所蔵されています。中でも、正徳2年に勧請された釈迦如来座像は台東区指定の有形文化財となっています。また、元和年間に建立された鐘楼堂も歴史的意義を持っており、徳川家光からの寄進を受けました。さらに、大久保主水墓や大沼枕山墓などが東京都の指定旧跡や登載文化財として存在し、瑞輪寺周辺の歴史を物語っています。

潮師法縁



日蓮宗の中で最大の法縁を持つ潮師法縁は、六牙院日潮上人を縁祖としており、飯高檀林から発生しました。瑞輪寺はこの法縁の中心寺院とされ、関連する他の本山には小湊山誕生寺や光明山孝勝寺などが含まれています。

アクセス



瑞輪寺へのアクセスは、千代田線千駄木駅から徒歩約9分、山手線日暮里駅からは徒歩11分程度です。観光地としての魅力を備えたこの寺院は、訪れる人々に静けさと歴史を提供しています。

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