瑞龍山

瑞龍山（ずいりゅうさん）

瑞龍山は茨城県常陸太田市瑞龍町にあり、水戸徳川家の歴代藩主を納めた歴史的な墓所です。この場所は2007年に国の史跡として指定され、訪れる際は事前にJTB水戸支店営業2課で見学の予約を行う必要があります。

歴史

水戸藩第2代藩主・徳川光圀は、初代藩主である徳川頼房の意志を受け継ぎ、寛文元年（1661年）に瑞龍山を墓地として整備しました。その後の延宝5年（1677年）には、光圀は伯父である武田信吉や生母の谷久子の墓を改葬しました。この山は豊かな森林に囲まれており、そこに歴代の藩主たちの墓が点在しています。

特徴

瑞龍山の葬儀墓制は、日本では珍しい儒教の形式を取り入れており、特に「螭首亀趺（ちしゅきふ）」と呼ばれる独特な墓のスタイルが特徴です。このスタイルは、亀の胴体に竜の首が付いているもので、儒教の理念を反映した造形美を持っています。墓所は静かな森の中にあり、歴史の重みを感じる空間が広がっています。

主な埋葬者

瑞龍山には多くの水戸徳川家当主が埋葬されています。その中には、頼房、光圀、綱條、宗堯、宗翰、治保、治紀、斉脩、斉昭、慶篤、昭武といった藩主が含まれます。また、侯爵・篤敬、公爵・圀順、圀斉といった水戸徳川家の当主以外にも、支藩の守山藩主、府中藩主、宍戸藩主、さらには長倉松平家の当主などもこの地に眠っています。

朱舜水の墓

瑞龍山には累代藩主一族の墓の他に、明代の儒学者である朱舜水の墓もあります。朱舜水は明の滅亡の際に援助を求めて日本に渡り、その後清の成立に伴い亡命しました。彼は光圀の招きによって水戸藩を訪れ、水戸学思想に多大な影響を及ぼしました。常陸太田市はこの朱舜水の生誕地に由来し、中国浙江省寧波市余姚市と友好都市の交流を持っていることでも知られています。

参考文献

• - 常陸太田市の歴史散歩（1986年）

外部リンク

• - ㈶ 水府明徳会
• - 茨城県教育委員会 水戸德川家墓所

瑞龍山は、江戸時代の歴史を語る貴重な存在であり、訪れる人々に歴史的な教訓と静けさを提供します。

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