瑠璃明王

瑠璃明王（るりめいおう）

瑠璃明王は、高句麗の第2代の王として知られ、前19年から後18年の間に在位しました。姓は高、諱は類利（るいり）または解儒留です。この王は、初代の高句麗王である東明聖王（朱蒙）の子であり、異母弟には百済の祖なる温祚と沸流がいます。彼にまつわる伝説や業績は、朝鮮の歴史に深く刻まれています。

生い立ちと即位までの道のり

瑠璃明王は、東明聖王が扶余に滞在していたときに、その妻である礼氏との間に生まれました。父親と生き別れた彼は、自身の出自について疑問を持ち、母に問いかけるシーンが伝えられています。母は、朱蒙が国を開くため南へ逃れたことや、彼に伝えられた「七角形の石の下に隠された剣が見つかる子が、私の子である」という言葉を語りました。

彼はこの言葉に導かれ、柱の礎石の間からその剣の欠片を見つけ出し、名声ある父のもとに持参します。この剣の欠片が父の持つ剣と合わさり、一つの剣となったことが、彼が王位を継ぐ契機となりました。その後、東明聖王の死去に伴い、瑠璃明王は王位に就きました。

治世の課題と成果

瑠璃明王の治世では、外部との軍事的な対立や外交関係が大きな課題でした。特に、前9年には扶芬奴の延を使って鮮卑を攻撃し、その国を属国としました。さらに、前6年には扶余からの侵略を受けるも、彼の次男が人質として出られず、王国の平和に多大な影響を及ぼしました。

その後、長男無恥が国防の要として活躍し、18年には東原にて瑠璃明王が亡くなるまで、妖道を制圧し、軍を率いて数々の戦功を収めることとなります。瑠璃明王はその間、首都を五女山から国内城に移し、国家の中心を整備しました。

乖離した外交関係

高句麗と他国の関係は一筋縄ではいかず、特に新王朝の王莽による高句麗への圧力が問題視されました。高句麗侯騶という人物が登場し、王莽の援軍要請を拒否して抵抗したものの、結局処刑される運命にあったことが記されています。これには瑠璃明王との直接的な関係は不明ですが、彼の時代が反映されています。

歴史に残る文学作品

瑠璃明王の治世で特筆すべきは、彼が詠んだ「黄鳥歌」です。この詩は、彼の王妃の死を受けた悲しみを詠んだもので、古代朝鮮の詩歌として非常に重要です。王は獲物を捜しに行く中で、王妃を偲び涙し、詩を残しました。

このように、瑠璃明王は高句麗王として数々の成果を収め、次世代に大きな影響を与えた重要な歴史的人物であると言えるでしょう。

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