環境審議会

環境審議会とは

環境審議会は、地方自治体における環境保全に関する重要な事項を調査・審議するために設置される附属機関です。環境基本法第43条（都道府県の審議会）および第44条（市町村の審議会）に基づき設置され、都道府県では必ず設置する必要がありますが、市町村での設置は任意となっています。

環境基本法では「審議会その他の合議制の機関」としか規定されていませんが、一般的には、国の中央環境審議会（環境基本法第41条）にならい、地方自治体名を冠した「〇〇県環境審議会」「〇〇市環境審議会」などという名称が用いられます。

組織

環境基本法には組織に関する具体的な定めはなく、地方自治体の条例で定めることになっています。しかし、多くの場合、中央環境審議会の組織を定めた中央環境審議会令を参考に、会長、委員、臨時委員（特別委員と呼ぶ場合もあります）、専門委員を置く組織構成が一般的です。

会長：審議会の会務を総理します。
委員：審議会における調査・審議に参加します。
臨時委員：特定の事項を調査・審議するために、必要に応じて設置されます。
専門委員：専門的な事項を調査するために、必要に応じて設置されます。

「調査審議」とは、審議会で意見を述べ（調査）、議決に参加する（審議）一連の活動を指します。会長は、通常、委員の互選によって選出されます。互選とは、委員がそれぞれ適任と考える委員に投票する選挙方法です。互選の方法については明確な規定がない場合が多く、必ずしも審議会での議決を要しないこともあります。しかし、特定の委員を予め会長候補として示し、審議会で信任を求める方法は、厳密には互選とは言えないため、実務上注意が必要です。

運営

環境審議会は、知事または市町村長からの諮問に対し、委員が調査・審議を行い、審議会としての意見をまとめ、諮問者に対して答申を行います。主な活動としては、環境基本計画などの地方自治体の環境施策に関する基本計画や、廃棄物処理計画、鳥獣保護計画といった個別の環境問題に対する行動計画について調査・審議を行います。

環境審議会の役割

環境審議会は、環境問題に関する専門的な知識や経験を持つ委員が、地方自治体の環境政策について多角的な視点から検討し、より良い政策の実現に貢献する重要な役割を担っています。住民の意見を反映させながら、環境保全に関する課題解決に向けて取り組むことが期待されています。

外部リンク

* 中央環境審議会令 - e-Gov法令検索

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