瓊韻社

瓊韻社（けいいんしゃ）

瓊韻社は、プロの囲碁棋士が所属する組織です。雁金準一を中心に設立され、現在に至ります。その設立の背景には、当時の囲碁界の動向が深く関わっています。

設立の経緯

1924年、碁界の大合同により日本棋院が設立されました。その直後、雁金準一、鈴木為次郎、加藤信、小野田千代太郎、高部道平の5棋士によって棋正社が設立されます。院社対抗戦などを経て、鈴木、加藤、小野田が日本棋院に復帰したため、棋正社は雁金と高部の2名のみとなりました。

1941年、雁金準一は独立して瓊韻社を設立します。この時、棋正社からは、雁金の娘婿であった渡辺昇吉六段や、小沢了正五段など、高部以外のほとんどの棋士が瓊韻社に移籍しました。

呉清源との十番碁

1941年、雁金準一は呉清源と十番碁を打ちますが、1勝4敗で打ち切りとなりました。翌年には、渡辺昇吉と日本棋院の藤沢庫之助による十番碁が行われましたが、藤沢が3連勝した時点で打ち切りとなっています。その後、瓊韻社と日本棋院の間での対局は少なくなりました。雁金に対しては日本棋院への復帰運動もありましたが、本人は応じず、瓊韻社に留まりました。戦後は、渡辺昇吉が旧名人戦、棋聖戦などの棋戦に参加しています。

富田忠夫の活動

雁金の弟子である富田忠夫は、当初から自宅の教室や瓊韻社の勉強会で、日本棋院の院生の指導を行っていました。1972年には、日本棋院棋士らと「日華親善囲碁の旅」に同行して台湾へ渡り、中国囲棋会から台湾の少年を日本に囲碁留学させたいという要望を受けました。1973年からは、王銘琬ら5人を門下として迎え、彼らを日本棋院の棋士として育て上げました。

主な所属棋士

渡辺昇吉：雁金準一門下。1942年に藤沢庫之助と十番碁を打ちました。1959年に九段に昇段。
富田忠夫：雁金準一門下。学習院大学卒。門下には王銘琬、鄭銘瑝などがいます。1994年に大倉喜七郎賞を受賞。
小玉高竜：雁金準一門下。1997年に九段に昇段。
宋麗：中国出身。鄭銘瑝の夫人。

関連項目

日本棋院
雁金準一

参考文献

団鬼六『落日の譜 雁金準一物語』筑摩書房 2012年

外部リンク

宋麗五段プロフィール（パンダネット：富田忠夫との写真あり）
* 宋麗五段プロフィール（同）

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