瓜破村

瓜破村の歴史：河内国東端の足跡

瓜破（うりわり）は、現在の大坂市平野区に位置する地域です。古くは河内国の東端に位置し、その歴史は複雑で興味深いものです。この記事では、瓜破村の成立から消滅、そして現代にいたるまでの変遷をたどります。

地理と地名の由来

瓜破は、大和川沿いの肥沃な土地に位置していました。村名の由来については諸説ありますが、代表的な説として、弘法大師空海に瓜を進上したという伝承や、道昭という僧侶が当地で天神尊像を発見した際、持っていた瓜を供えたところ割れてしまったという逸話があります。いずれも、瓜とこの地が深く関わっていることを示唆しています。

近世から近代への変遷：分村と合併

瓜破村の歴史は、近世初期にさかのぼります。延宝8年（1680年）、丹北郡瓜破村は東瓜破村と西瓜破村に分かれました。その後、享保7年（1722年）には万屋新田が開拓され、新たな集落が形成されていきます。

明治22年（1889年）、町村制の施行に伴い、東瓜破村、西瓜破村、万屋新田が合併して瓜破村が誕生しました。村役場は東瓜破に置かれ、村としての行政組織が整えられました。明治29年（1896年）には郡の統廃合により、所属郡が中河内郡に変更されています。

その後も瓜破村は変化を続けました。明治43年（1910年）には大字万屋新田の名称が万屋に変更されました。昭和24年（1949年）には、東佃町、西佃町、国塚町、牛屋町、広狭町、弁天町、狭川町の7町が新たに設置され、瓜破村の町域は大きく変化していきました。

大阪市への編入と消滅

昭和30年（1955年）4月3日、瓜破村は大阪市に編入され、東住吉区の一部となりました。この編入によって、瓜破村は行政区域としての歴史に幕を閉じました。しかし、昭和49年（1974年）7月22日に行われた大阪市の区の再編により、旧瓜破村域は平野区の一部となりました。

交通網の変遷

現代では、Osaka Metro谷町線の喜連瓜破駅が旧瓜破村域に位置し、交通の便は格段に向上しています。しかし、瓜破村時代には、鉄道は通っていませんでした。また、現在では阪神高速14号松原線が旧村域を通っていますが、当時は未開通でした。交通網の発達は、瓜破の地の変化を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。

まとめ：歴史の重層と現代への継承

瓜破村の歴史は、地名由来の物語から始まり、近世・近代の行政区域の変遷、交通網の発展まで、様々な要素が絡み合って出来上がっています。かつて独立した村であった瓜破は、今では大坂市平野区の一部として、その歴史を現代に受け継いでいます。その歴史を理解することで、現在の瓜破の街並みや人々の生活に込められた意味をより深く知ることができるでしょう。 瓜破の土地に息づく歴史は、これからも未来へと受け継がれていくことでしょう。

参考文献

角川日本地名大辞典 27 大阪府
谷川彰英『47都道府県・地名由来百科』丸善出版、2015年。

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