甘い生活 (漫画)

甘い生活

『甘い生活』は、弓月光による日本の漫画作品で、『ビジネスジャンプ』(集英社)にて1990年から2011年まで連載されました。その後、同誌の休刊に伴い、『グランドジャンプ』で『甘い生活 2nd season』として2024年まで連載が継続されました。単行本は40巻、2nd seasonは18巻が発売されています(2024年7月現在)。

この作品は、弓月光の短編『ランジェリー狂走曲』(『みんなあげちゃう』第19巻に収録)をベースとしています。2007年8月時点で累計部数は800万部を記録しています。

概要

物語は、大手下着メーカーであるピクシー(Pixy)を舞台に展開されます。主人公は、ランジェリーに対して天才的な才能を持つ江戸伸介。彼は、さまざまな依頼主と出会いながら、下着やそれに類するものを開発していきます。その過程で、若宮弓香とのラブコメディが繰り広げられます。

伸介と弓香の恋愛模様が物語の主軸でありながら、開発される下着ごとに話は比較的独立しており、連続性のある中編の集合体のような構成となっています。

連載期間が長いにもかかわらず、コミックスの巻数が比較的少ないのは、月2回の連載でありながら、1回あたりのページ数が少ないためです。17年半で400回を超える連載回数ですが、作中では弓香の誕生日が26歳から27歳になる程度で、時間経過としては3年ほどです。他の長期連載作品と同様に、作中の時間経過と現実の時間経過にはずれが生じており、テレホンカードから自動車電話、折りたたみ式携帯、スマホ、タブレットPCといったように、時代の変遷が作品内に反映されています。

『2nd season』では、第一期当初の時代を描きながらも、時代描写は異なっています。つまり、『2nd season』ではストーリーは継続されていますが、時代設定は一度リセットされたと解釈できます。

ランジェリーという題材を扱っていること、そして作者である弓月光が元少女漫画家であったことから、『BJ』連載の青年漫画でありながら、女性読者も少なくありません。

作者がMacintoshユーザーであるため、作中には連載当時の最新Macintoshが登場したり、架空の翻訳機が登場するといった描写もあります。

あらすじ

ピクシー入社編 (1 - 3巻)

主人公の江戸伸介は、大手下着メーカー・ピクシーの地下10階にある資料課でアルバイトをしていました。ある日、彼は会長の第二秘書である若宮弓香の美しさに目を奪われます。その後、誤って資料課に届けられたズロースを下着に対する眼力を買われ、会長である日野昇造の元へ届けたことがきっかけで、ピクシーに入社することになります。

入社後、伸介は女性社員への下着の支給を提案し、実績を上げます。その結果、社内の重役会議に参加することになり、OL向けの下着のデザイン対決に参加することになります。

ドミナ衣装編 (3 - 4巻)

ピクシーが冠スポンサーを務めるロックコンサートで、世界的ロック歌手ドミナの衣装が紛失してしまいます。そこで、OL向け下着で実績を上げた伸介に、衣装デザインの依頼が舞い込みます。しかし、彼には「セクシーさ」という概念が理解できませんでした。

呪いのコルセット編 (4 - 5巻)

ひょんなことから下着泥棒でありコレクターの倉元と知り合った伸介は、16世紀のカトリーヌ・ド・メディチ由来の呪いのコルセットを見せられます。弓香にコルセットを着せると、その気持ちよさから彼女はコルセットを手放さなくなり、日に日にやつれていきます。弓香を救うため、伸介は呪いのコルセット以上に気持ちいい下着を作ることを決意します。

生理用ショーツ編 (5 - 6巻)

伸介は、ナプキンと専用ショーツをセットで作るというアイデアから、生理用ショーツ開発プロジェクトを立ち上げます。天保製薬から派遣された共同開発の相手は、弓香の元恋人である太田原でした。伸介が体型を良くするためにTバックにこだわるため、プロジェクトは難航します。

桂千波編 (6 - 8巻)

伸介は、ハイティーン向けの下着として、成長する身体に対応するフリーサイズのブラジャーを発明します。しかし、着け心地が良すぎるために他の製品が売れなくなると判断され、会長にボツにされます。

その後、伸介は駅で見事な下着の着こなしをしている桂千波に出会い、彼女からインスピレーションを受け、ハイティーン向けの下着の作成に取り掛かります。伸介、弓香、そして伸介に惚れ込んでしまった千波の三角関係が展開されます。

(この後も様々なエピソードが展開されます。)

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