甘い罠 (曲)

『甘い罠』について

『甘い罠』、英語では「I Want You to Want Me」として知られるこの楽曲は、アメリカのロックバンドチープ・トリックによって制作されました。1975年に初めて演奏され、翌年1977年に発売されたアルバム『蒼ざめたハイウェイ』に収録されました。このアルバムから最初にリリースされたシングルでしたが、アメリカの音楽チャートには顔を出さなかったものの、日本では大ヒットを記録しました。特に、彼らの日本武道館でのコンサートは印象的で、このライブパフォーマンスは彼らの成功を飛躍的に高めることとなり、ライブアルバム『チープ・トリックat武道館』に収められました。

シングルのリリースと結果

『甘い罠』のライブ版シングルは、1979年にリリースされ、アメリカのBillboard Hot 100で7位にランクインしました。当楽曲は、バンドの最大のヒット曲として知られ、売上は100万枚を超え、アメリカレコード協会からゴールドディスクの認定を受けました。カナダでも2週連続でRPM誌のチャートで2位を獲得し、イギリスでも29位まで上昇するなど、国際的な成功を収めました。

このシングルは、特にライブ版においてそのエネルギーが感じられ、多くのリスナーに支持されています。アメリカでは約5万枚が売れ、カナダでも同様に評価を受けました。

バージョンの違い

『甘い罠』には元のアルバム版とライブ版の2つのバージョンがあります。アルバム版はエコーがかかった部分が特徴的ですが、ライブ版にはそのエコーが聞かれず、よりダイナミックな演奏が展開されます。また、ライブ版には2つのギターソロが組み込まれており、テンポも速く、よりインパクトのある仕上がりとなっています。オリジナルの1976年の録音バージョンも存在し、曲の構成に些細な違いがありながら、本作の初期の姿を留めています。

評価と影響

2007年に出版された『Shake Some Action: The Ultimate Power Pop Guide』では、チープ・トリックの代表曲として「甘い罠」が取り上げられ、作曲者のジョン・M・ボラックはその魅力について言及しています。彼は『蒼ざめたハイウェイ』版の不足を指摘しながらも、武道館のライブ版がそれを補っていると評価しています。この曲は歴史的にも非常に重要な位置を占めており、大変クールな楽曲として捨てるには惜しい存在とされています。

リリースの履歴

「甘い罠」は1977年にアルバム『蒼ざめたハイウェイ』に収録され、数回の再リリースやサウンドトラックとしても使用されています。1996年には、バンドが1976年に録音したバージョンがリリースされ、1998年には最初の録音バージョンが再発されました。ラジオや映画でも何度も取り上げられ、多くのアーティストによるカバーもなされてきました。

文化的影響

『甘い罠』は多くのメディアでも使用されており、テレビドラマ『Scrubs〜恋のお騒がせ病棟』のエピソードでは重要なシーンで流れるなど、幅広い影響を与えています。スティーヴン・コルベアのショーでは、番組開始前にこのライブ版が流れることもあり、その認知度はますます高まっています。また、ビデオゲーム『Band Hero』や『Rock Band 3』への収録も、その人気を物語っています。音楽シーンにおける長年の影響力を考えると、この楽曲は今後も多くのリスナーに愛され続けることでしょう。

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