甘強酒造

甘強酒造株式会社について

甘強酒造株式会社は、愛知県海部郡蟹江町に本社を構える伝統的な酒造会社です。主にみりん、日本酒、焼酎を製造・販売しており、その高品質な製品は多くの料理店などから愛用されています。

歴史

蟹江の醸造業の背景

蟹江町は濃尾平野の南部に位置しており、江戸時代以前から伊勢湾北部の重要な港町でした。この地域で生産されるもち米は品質が高く、みりんの醸造に適していたため、蟹江は優れた酒造の町として知られています。1868年には既に14軒の醸造業者が存在し、当時の山田平八（初代山田平左衛門）もその1社でした。

創業から戦前の成り立ち

1862年、山田平八により「山田平左衛門商店」を設立し、みりんの製造を開始しました。1891年には濃尾地震の影響で作業場が半壊しましたが、その後新しい建物が建設され、1905年には土蔵造の味醂蔵が完成しました。1935年には法人化し、商号を甘強酒造に変更しました。戦争中はみりんの生産が限定され、厳しい影響を受けましたが、戦後は日本酒の醸造販売を開始し、順調に業績を伸ばしました。

戦後からの発展

1954年に日本酒の販売を始め、その後の売上の多くを日本酒が占めるようになりました。1995年からは中国での製造を開始し、広がる市場に対応していきました。また、2000年に古文書が発見され、その中には創業当時の貴重な資料が含まれていました。このような歴史的発見は、甘強酒造の豊かな文化と伝承を示すものです。

特徴と主な商品

甘強酒造は特に「カンキョーみりん」で知られており、名古屋エリアで多くのCMが放送されています。主な出荷先は料亭や蕎麦屋、うなぎ屋などで、特に高品質のみりんが多く出荷されています。販路の80%以上が業務用で、近年は熟成したみりんや飲用可能なみりんも展開しています。

• - みりん

- 甘強本みりん
- 昔仕込本味醂
- 濃醇みりん
- 参年味醂
- 黒みりん

• - 日本酒

- 四天王
- 長春
- 名古屋正宗
- 純米吟醸
- 生貯蔵酒

• - 焼酎・リキュール他

- 加寿登利焼酎
- 里香梅（梅酒）

建築物と文化遺産

甘強酒造の旧本社事務所や工場、住宅主屋は2005年に登録有形文化財として登録されました。これらの建物は、近代化に向けた変遷を示す重要な産業文化遺産として評価されています。特に男の建物は蟹江町初の鉄筋コンクリート造であり、地元の歴史を語る貴重な存在です。旧本社事務所は1937年に完成し、その特徴的なデザインは地域の建築文化に寄与しています。

受賞歴

また、甘強酒造は全国新酒鑑評会での金賞受賞歴も持ち、品質の高さが認められています。これにより、多くの人々にその名が広まり、さらに日本酒に対する関心を高め続けています。

以上のように、甘強酒造株式会社は豊かな歴史と伝統を持ちながら、現代のニーズにも応える製品を展開し続けています。

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