甘露寺 (九華山)

甘露寺（かんろじ）

甘露寺は、中華人民共和国安徽省池州市青陽県にある九華山に位置する著名な仏教寺院です。豊かな歴史と文化を持つこの寺院は、多くの信者や観光客に信仰の場、そして観光地として親しまれています。

名称の由来

甘露寺の名前は、『法華経』の一節「我為大衆説甘露浄法」に由来します。この「甘露」とは、仏教における清らかな教え、すなわち「甘露の法」を意味し、寺院が人々にその教えを広める場であることを象徴しています。

歴史

甘露寺は、清の時代の康熙6年（1667年）に洞安によって創建されました。その後、乾隆年間に優曇によって再興され、寺院としての規模と格式を高めました。長きにわたり、甘露寺は九華山における重要な仏教拠点の一つとして、信仰を集めてきました。

1983年には、中華人民共和国国務院により、漢族地区仏教全国重点寺院の一つとして認定されました。これは、甘露寺が中国仏教において重要な位置を占めていることを示すものです。さらに、2004年には、安徽省人民政府によって安徽省文物保護単位に指定され、文化財としての価値も認められました。

伽藍

甘露寺の伽藍は、伝統的な中国仏教寺院の様式を色濃く残しています。主要な建造物としては、以下のものがあります。

山門：寺院の入り口に建ち、訪れる人々を迎えます。
天王殿：四天王像が安置され、寺院の守護を担っています。
大雄宝殿：本尊が安置される中心的な建物であり、重要な法要や儀式が執り行われます。
鐘楼：時を告げる鐘が設置されています。
鼓楼：太鼓が設置され、法要の際に打ち鳴らされます。

これらの建物は、精緻な装飾や彫刻が施されており、仏教美術の粋を鑑賞することができます。

参考文献

張馭寰 (2012). “満山松針尽挂甘露：九華山甘露寺” (中国語). 『図解中国著名仏教寺院』. 北京市: 当代中国出版社. p. 147–148. ISBN 978-7-5154-0135-5

甘露寺は、その美しい景観と豊かな歴史、そして仏教文化を伝える重要な場所として、これからも多くの人々に愛され、訪れられることでしょう。

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