甜茶

甜茶（てんちゃ）とは

甜茶とは、中国[[茶]]の中で、植物学上の茶の木（カメリア・シネンシス）とは異なる植物の葉から作られる、甘みのあるお茶の総称です。古くから薬草茶として親しまれてきました。抹[[茶]]の原料となる碾茶（てんちゃ）とは異なるものです。

甜茶の原料となる植物

甜茶の原料となる植物は、以下のものが挙げられます。

バラ科
テンヨウケンコウシ（甜葉懸鈎子） Rubus suavissimus S. Lee

アカネ科
ギュウハクトウ（牛白籐） Oldenlandia hedyotidea

ブナ科
タスイカ（多穂柯）またはタスイセキカヨウ（多穂石柯葉） Lithocarpus polystachyus

アジサイ科（分類によってはユキノシタ科）
アマチャ（別名ドジョウサン、土常山） Hydrangea serrata (Thunb. ex Murray) Ser. var. thunbergii (Sieb.) H. Ohba
ロウレンシュウキュウ（臘蓮繍球） Hydrangea aspera ssp. strigosa
ヤクシマアジサイ Hydrangea grosseserrata Engl.

このように、複数の科にまたがる植物が甜茶の原料として利用されています。これらの植物の葉に含まれる甘味成分が、甜茶の甘さの由来となっています。

花粉症と甜茶の関係

甜茶は、花粉症などのアレルギー症状に良いという俗説が広く知られています。しかし、独立行政法人国立健康・栄養研究所は、信頼できる十分なデータは確認できないと発表しています。

一方で、サントリーなどの研究機関が、バラ科の甜茶には花粉症への効果が期待できるという研究結果を発表したこともあります。しかし、この研究はごく少数の被験者によるものであり、更なる研究が必要とされています。

この研究結果を受けて、全国の薬局などでは甜茶のサプリメントが販売されるようになりました。しかし、厚生労働省は甜茶を効果が不確かな民間療法と位置づけています。

厚生労働省が実施した全国96の耳鼻咽喉科診療所や病院での調査では、甜茶に対して「効果がある」と回答した患者は14％、「効果がない」と回答した患者は51％、「不明」と回答した患者は35％でした。この結果は、鼻スチームや鼻洗浄、漢方などの他の民間療法と比較しても、「効果がある」と回答した割合が低いことを示しています。

また、チリダニによるアレルギー性鼻炎患者89名を対象としたプラセボ対照試験では、甜茶はくしゃみ、鼻汁、鼻閉塞などの鼻炎症状に影響を与えなかったという報告もあります。

これらの情報を総合的に判断すると、甜茶が全ての人に対して花粉症やアレルギー症状に効果があるとは断定できないと言えるでしょう。個人の体質や症状によって効果には差があると考えられます。

まとめ

甜茶は、古くから薬草茶として親しまれてきた甘いお茶です。花粉症などのアレルギー症状に良いという情報もありますが、科学的な根拠は十分ではありません。摂取を検討する際には、これらの情報を考慮し、医師や専門家と相談することが望ましいでしょう。

関連項目

甘[[茶]]

外部リンク

テンチャ（甜茶） - 素材情報データベース＜有効性情報＞（国立健康・栄養研究所）
* 『甜茶』 - コトバンク

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