生きている画像

映画『生きている画像』

『生きている画像』（いきているがぞう）は、1948年に千葉泰樹が監督した日本映画で、戦後の日本映画界において重要な作品の一つとされています。物語は昭和14年から15年頃を舞台に、洋画界の巨匠である瓢人先生と彼の弟子たちの生活を描いています。

あらすじ

物語は、瓢人先生が数十人の弟子を持つ一方で、大酒を飲む特異な人物として描かれます。その中の一人、田西麦太は才能を評価されず、帝展への入選も果たせなかったことから、同じくモデルを務めた青貝美砂子に対して複雑な思いを抱いていました。

ある日、会食を終えた瓢人先生が帰宅すると、麦太は美砂子と結婚したいと告げ、仲人をお願いしました。瓢人先生は、彼の親友である龍巻博士にその役目を託し、見事に麦太と美砂子の結婚を成し遂げます。彼らは貧しいながらも幸せな日々を送りますが、美砂子は子供を出産後に急逝してしまいます。悲しみに暮れる麦太は、美砂子の肖像画を描き、その作品を秋の帝展に出展します。その結果、彼の絵は特選に選ばれることとなります。

スタッフとキャスト

本作のスタッフは、千葉泰樹が監督を務め、脚本や原作も八田尚之が担当しました。撮影は河崎喜久三、美術は下河原友雄、そして音楽は早坂文雄が手掛けています。

キャストには、名優大河内傳次郎が瓢人先生役を演じ、藤田進が南原豊、花井蘭子が青貝美砂子、古川緑波が龍巻博士を演じるなど、豪華な面々が揃いました。特に、笠智衆が演じる田西麦太の演技は高く評価されています。

受賞歴

本作品は1948年度の第22回キネマ旬報賞で、日本映画ベスト・テンにおいて第9位を獲得しました。これはこの映画が当時の日本映画界に与えた影響を示すものとなっています。

まとめ

『生きている画像』は、芸術と人生の難しさを描いた深い作品であり、戦後の日本における精神的な葛藤や人間関係を映し出しています。この映画は、人物の内面的な成長や、人との関わりの中での喜びと悲しみを通して視聴者に感動を与え、後世に残る名作となっています。

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