生源寺

生源寺（しょうげんじ）

生源寺は、滋賀県大津市坂本に位置する天台宗の寺院で、比叡山を山号としています。この寺院は、日本天台宗の開祖である伝教大師最澄が生まれた場所に建てられており、その歴史的、宗教的な意義は非常に大きいと言えるでしょう。本尊として十一面観音を祀っています。

歴史

生源寺の創建は、延暦年間（782年 - 806年）に遡ります。最澄が自身の生誕地であり、父である三津首百枝の居館跡に寺院を建立しました。本尊の十一面観音は、慈覚大師円仁の作と伝えられており、生源寺は延暦寺西塔の総里坊格の寺院として、重要な役割を果たしました。

しかし、織田信長による元亀2年（1571年）の比叡山焼き討ちによって、生源寺は全焼という壊滅的な被害を受けました。現在の本堂は、文禄4年（1595年）に詮舜によって再建されたもので、その後、宝永7年（1710年）に改築が施されています。江戸時代には、生源寺は一山の寺務を統括する重要な寺院として、その存在感を示していました。

また、生源寺の西隣には、かつて鎮守社であった大将軍神社があります。

境内

生源寺の境内には、歴史的な建造物や文化財が点在しています。

本堂：寺の中心となる建物で、参拝者の信仰を集めています。
別當大師堂：最澄の高弟である別當大師光定を祀っています。元々は別の場所にありましたが、延暦寺横川に恵心堂として移築されました。
庫裏：寺院の台所として使用される建物です。
傳教大師御産湯井：最澄が産湯に使われたとされる井戸です。歴史を感じさせる場所です。
最澄少年像：最澄の少年時代の姿を模した像です。
鐘楼：寺院の時を告げる鐘が設置された建物です。
鎮守社：寺院を守護する神社です。
山門：寺院の入り口となる門です。
破鐘：元亀2年（1571年）の比叡山焼き討ちの際に、強く鳴らしたためにヒビが入った鐘です。現在は坂本石積みの郷公園に移設されています。

文化財

生源寺には、大津市指定有形文化財として、以下のものが指定されています。

絹本著色日吉山王垂迹神曼茶羅図：日吉山王の神々を描いた曼荼羅図です。坂本山王講と生源寺によって守られてきました。

前後の札所

生源寺は、以下の巡礼路の札所にもなっています。

近江西国三十三箇所：6番札所として、5番の園城寺と7番の長谷寺の間に位置します。
びわ湖百八霊場：8番札所として、7番の盛安寺と9番の滋賀院門跡の間に位置します。
真盛上人二十五霊場：5番札所として、4番の日吉馬場六角堂と6番の誓願寺の間に位置します。

参考文献

生源寺パンフレット

関連項目

日吉大社

外部リンク

滋賀・びわ湖観光情報　生源寺

生源寺は、歴史と文化が深く息づく寺院であり、訪れる人々に静寂と安らぎを与えてくれます。最澄の生誕地という特別な場所で、その歴史と文化に触れてみてはいかがでしょうか。

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