生物多様性センター

生物多様性センターについて

生物多様性センター（Biodiversity Center of Japan: BiodiC-J）は、日本の環境省自然環境局に所属する機関で、生物多様性に関するさまざまな活動を行っています。具体的には、生物多様性国家戦略に基づき、調査や情報発信、普及活動を中心とした業務を展開しています。また、希少野生動植物種の標本を収集し、展示する機能も持つ博物館としての役割も果たしています。

所在地と運営

このセンターは、山梨県富士吉田市上吉田剣丸尾に位置し、センター長は鳥居敏男が務めています（2007年4月1日より）。環境省組織規則に基づき設立されており、環境省自然環境局の総務課がその管理を行っています。

沿革

生物多様性センターの設立は1993年に始まり、日本が生物多様性条約を受諾したことが契機となりました。1995年には生物多様性国家戦略が制定され、1998年には旧環境庁にセンターが設置されました。その後、2001年に環境省が発足し、自然環境局のもとで活動を続けています。

主な業務内容

生物多様性についての調査

センターの主な業務は、生物多様性に関する基礎調査です。具体的な活動には、緑の国勢調査という大規模な調査があり、ここでは植物や動物、海の生態系などの種類や分布を詳細に調査し、その結果を報告書や地図として公表します。この調査は、自然環境保全法に基づき、約5年ごとに実施されています。また、サクラやタンポポといった身近な生きものに焦点を当てた市民参加型の調査も行っており、人々に自然の大切さを伝える役割も担っています。

情報の管理と公開

調査によって得られた情報は、生物多様性情報システム（J-IBIS）や、自然環境情報GISとしてデータベース化され、一般に公開されています。これにより、研究機関や市民がアクセスできるようになっています。また、絶滅危惧種に関する情報も提供しており、レッドデータブックを基にしたデータも公開されています。

希少種の保存と教育

生物多様性センターでは、トキやオオワシ、イリオモテヤマネコなどの希少動植物の標本を収集し、保管、展示しています。このために展示室と図書室を設け、訪れる人々に知識を広める重要な場として機能しています。さらに、インターネットを利用した情報公開や生物多様性に関する教育活動も行っています。

国際的な連携

センターは、東アジア地域との生物多様性のネットワーク構築を目指しており、国際的な協力にも積極的です。また、発展途上国からの留学生の研修受け入れなども行い、国際的な視点からも生物多様性の課題に取り組んでいます。

自然環境の保全活動

さらに、自然環境の保全や整備なども重要な業務の一部で、自然環境保全法や自然公園法に基づく活動を行っています。野生生物の保護や、適正な狩猟政策の策定にも関与しています。

生物多様性センターは、日本の自然環境とその多様性を守るために意義深い活動を続けており、未来の世代に貴重な自然を引き継ぐための重要な役割を果たしています。

もう一度検索