田上稔

田上 稔

（たのうえ みのる）

概要

日本の元ラグビーユニオン選手である田上 稔（たのうえ みのる）氏は、1997年2月10日に生を受けた。ラグビー選手として、高校、大学、そしてトップレベルのリーグでキャリアを築き、2025年5月に現役を退いた。

幼少期から学生時代

田上氏は、小学校時代はサッカーに親しんでいた。しかし、三人の兄がラグビーに取り組んでいた影響を強く受け、熊本市立帯山中学校へ進学した際にラグビーの世界へと足を踏み入れた。中学校で楕円球に触れ始めた田上氏は、次第にその才能を開花させていく。

高校はラグビー強豪校として知られる佐賀県立佐賀工業高等学校へ進学。ここでは厳しいトレーニングと高いレベルの環境の中で選手として大きく成長を遂げた。高校時代の活躍は目覚ましく、その才能は広く認められ、高校日本代表にも選出された。これは、将来を嘱望される若手選手としての地位を確固たるものとした出来事であった。

高校卒業後の2015年には、大学ラグビー界の名門である帝京大学へ入学した。帝京大学ラグビー部の一員として、全国大学ラグビーフットボール選手権大会など、数々の重要な試合に出場し、チームの勝利に貢献した。大学での四年間は、より高度な技術と戦術を習得し、選手としての幅を広げる貴重な時間となった。

また、大学在学中には国際舞台での経験も積んだ。2016年3月には、日本の若手有望株を集めたジュニア・ジャパンの一員として、ワールドラグビーパシフィック・チャレンジ2016に出場。各国の同世代の選手たちと対戦することで、国際的なレベルでの自身の立ち位置を確認し、さらなる成長への糧を得た。

プロキャリア

帝京大学を卒業した田上氏は、2019年に当時のトップリーグに所属していたヤマハ発動機ジュビロへの加入を決めた。後にチームは再編成され、JAPAN RUGBY LEAGUE ONEに所属する静岡ブルーレヴズとなったが、田上氏は引き続き同チームでプロ選手としてのキャリアを歩んだ。

チームに加入後、日々の練習に励み、試合出場の機会をうかがった。プロのレベルに適応するため、自身のプレースタイルや技術を磨き続けた。そして、プロ選手として待望の公式戦デビューを果たしたのは、2022年2月19日に行われたJAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022シーズン第6節の交流戦であった。この試合で、横浜イーグルスを相手に途中出場し、リーグワンの舞台に初めて立った。この公式戦初出場は、長年の努力が実を結んだ瞬間であり、選手キャリアにおける重要な一歩となった。

静岡ブルーレヴズの一員として、チームの勝利に貢献すべく力を尽くした。リーグ戦を通じて、自身の強みを発揮し、チームにとって不可欠な存在となるべく懸命にプレーを続けた。プロとしての日々は、常に高いパフォーマンスを求められる厳しいものであったが、ラグビーへの情熱を胸に奮闘した。

引退

2025年5月、田上 稔氏は所属していた静岡ブルーレヴズを退団し、選手としての現役生活に終止符を打つことを決断した。中学校から始まったラグビーキャリアは、高校日本代表、ジュニア・ジャパン、そしてプロ選手としてトップリーグ／リーグワンでのプレーを経て、約20年近くに及んだ。現役引退後は、新たな人生のステージへと進むことになる。

田上氏のキャリアは、兄の影響でラグビーを始め、各年代で着実にステップアップし、プロの世界で公式戦出場を果たすという、努力と才能に裏打ちされた道のりであった。日本のラグビー界に貢献した選手の一人として、その名前は記憶されるであろう。

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