田中弥生 (経営学者)

田中弥生のプロファイル

田中弥生（たなかやよい、1960年3月20日生まれ）は、日本を代表する経営学者であり、特に非営利組織論において高い評価を受けています。彼女は、東京都に生まれ育ち、上智大学文学部を1982年に卒業。その後、日本光学工業に就職しましたが、1986年からは笹川平和財団の研究員として活動を開始しました。

2002年には国際協力銀行でプロジェクト開発部参事役を務めた後、同年に「民間非営利セクターのインターメディアリ機能に関する研究」という論文で大阪大学より博士号（国際公共政策）を取得しました。これにより、彼女は学術界での地位を確立しました。

その後、田中は東京大学大学院工学系研究科で客員助教授を務め、2006年には独立行政法人大学評価・学位授与機構で助教授として活動を開始。2007年からは評価研究部で准教授としての職務も兼任し、公共政策分野においても活躍しています。

キャリアを通じて、田中は財務省財政制度等審議会の委員や、日本NPO学会の会長を務めるなど、数々の重要な役職を歴任しています。2012年には日本NPO学会の会長に就任し、非営利組織の発展を促進するための活動を行いました。そして2013年からは、独立行政法人大学評価・学位授与機構の研究開発部教授として、研究活動を続けています。

特に注目すべきは、田中氏が2019年に会計検査院の検査官に就任したことです。女性としては二人目となるこの役職は、彼女の卓越した専門性とリーダーシップを証明するものです。2020年からは東京大学公共政策大学院の客員教授として、学問と実務の両方での経験を学生に伝えています。2024年には、会計検査院長に就任する予定で、今後の動向が期待されています。

著作活動

田中弥生は、学術書や著作物を数多く執筆・翻訳しています。1999年に出版された『「NPO」幻想と現実: それは本当に人々を幸福にしているのだろうか?』は、NPOの実態に光を当てた一冊です。また、2005年に発表された『NPOと社会をつなぐ: NPOを変える評価とインターメディアリ』では、NPOの評価手法について探求しています。さらに、『NPO新時代: 市民性創造のために』や『市民社会政策論: 3・11後の政府・NPO・ボランティアを考えるために』などの著作を通じて、彼女の非営利組織に関する知識と見解を広めています。

また、翻訳書としては、ピーター・ドラッカー編著の『非営利組織の「自己評価手法」: 参加型マネジメントへのワークブック』や『非営利組織の成果重視マネジメント: NPO・行政・公益法人のための「自己評価手法」』を手掛けたこともあり、国際的な視点からも非営利組織の管理に寄与しています。

田中の研究は、非営利組織の発展だけでなく、日本の公共政策や社会の変革にも深い影響を及ぼしています。

もう一度検索