田中秀幸 (アートディレクター)

田中秀幸：ポップで毒のある唯一無二のデザイン世界

田中秀幸氏は、1962年生まれの日本のアートディレクター、グラフィックデザイナーです。株式会社フレイムグラフィックスの代表を務め、テレビ番組、CM、ゲーム、広告、音楽、PVなど、多岐にわたる分野でクリエイティブ活動を展開しています。静岡県浜松市出身で、静岡県立浜松西高等学校、多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業という経歴を持ちます。

キュートで毒のある、独自のスタイル

彼のデザインは、ポップでキュートな要素と、どこか毒を含んだ独特のセンスが特徴です。この独特なスタイルは、若手クリエイターをはじめ、多くの支持を集めています。パソコン1台でCG制作が可能になった1992年、フジテレビ系の伝説的な子供向け番組『ウゴウゴルーガ』に参加したことが、彼を世に知らしめるきっかけとなりました。当時、Amigaを用いたCG制作技術で注目を集めました。

代表作『スーパーミルクちゃん』と多様な活動

その後、フジテレビ系の深夜番組『Flyer TV』で放送されたアニメ『スーパーミルクちゃん』では、監督・デザイン・原案を担当。この作品は後に『OH!スーパーミルクチャン』として独立し、スペースシャワーTVやWOWOWなどで放送されたほか、OVAもリリースされるなど、高い人気を博しました。

さらに、ファッションブランド「super lovers」のデザインやPV制作も手がけています。音楽活動においても、旧知の親友であるピエール瀧（電気グルーヴ）とのVJユニット「プリンストンガ」で活動するなど、その活動領域は多岐に渡ります。

数々の受賞歴と幅広い活動実績

田中秀幸氏の才能は、数々の賞によって証明されています。電気グルーヴの『Fake It!』のミュージックビデオで第13回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞、グループ魂の「べろべろ」のミュージックビデオで第15回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門優秀賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

彼の活動範囲は非常に広く、テレビ番組ではNHK教育の『恐竜惑星』『ジーンダイバー』、フジテレビ系の『ウゴウゴルーガ』、『サタスマ』、『ココリコミラクルタイプ』、日本テレビ系の『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』などの背景セット制作、テレビ朝日の『SmaSTATION!!』の「スマアニメ」制作など、多様な番組に携わっています。また、CMでは三井生命、森永製菓、PARCO、JR東日本、ソフトバンクモバイルなどの作品を手掛けています。

ゲーム分野でも、エニックス、ハドソン、ソニー・コンピュータエンタテインメント、セガ、任天堂などのタイトルのデザインに携わっており、音楽PVやCDジャケットデザインでは、WIRE、電気グルーヴ、石野卓球、篠原ともえ、UA、JUDY AND MARYなど、数多くのアーティストの作品を手掛けています。さらに、麒麟麦酒のパッケージデザインや、東京都現代美術館「きかんしゃトーマスとなかまたち展」のロゴ・広告デザインなども担当しています。

まとめ

田中秀幸氏は、その類まれなデザインセンスと多様な活動によって、日本のクリエイティブシーンに大きな影響を与え続けています。ポップでキュートでありながら、どこか毒気を感じさせる独特の世界観は、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。彼の今後の活動にも、目が離せません。

もう一度検索