田中章 (野球)

田中章の経歴と選手としての特徴

田中章（たなか あきら）は、1944年7月20日生まれで千葉県木更津市に出身する元プロ野球選手です。職業は投手であり、早稲田大学野球部や大昭和製紙硬式野球部、茨城県立水戸商業高等学校の監督を務めた石井藤吉郎の親戚にあたります。今回は彼の経歴、プロ入りの背景、選手としての特徴について詳しく見ていきます。

プロ入り前の道程

田中は千葉経済高等学校に在籍中、1960年の秋季千葉県大会準々決勝でノーヒットノーランを達成するという輝かしい成績を残しました。ただし、決勝では千葉県立銚子商業高等学校に敗れ、全国大会への出場はできませんでした。その後、彼は千葉大会で2年連続して準々決勝進出を果たしましたが、全国大会とは無縁の思い出でした。

高校卒業後は、実父からの勧めにより早稲田大学への進学を考えましたが、本人には大学進学の意志はありませんでした。神戸製鋼への入社が内定していた田中ですが、数ヶ月後に日本通運からの内定により、進路を大きく変更しました。この選択をする理由は、住み慣れた関東地方を離れずに済むというものでした。

日本通運での2年目には、都市対抗野球大会で3勝を上げ、チームを初優勝に導いて橋戸賞を受賞しました。特に決勝戦では、後にロッテ・オリオンズの投手となる近藤重雄との投手戦に勝利し、この経験が彼の野球キャリアに大きな影響を与えることとなります。

プロ野球入りと経歴

1965年、田中はNPBドラフトで近鉄バファローズから指名を受けましたが、入社したての日本通運への配慮から入団を辞退しました。その後も日本通運で活躍し続け、1968年には読売ジャイアンツから2位指名を受けて入団が決定しました。

プロ入り後の1969年からは主に中継ぎとして一軍に登板し、1970年終了後には西鉄ライオンズへトレードされました。西鉄では一軍救援として重用され、1973年には自身初のオールスターゲーム出場を果たし、同年に11勝を上げるなど活躍しました。

続く1974年には加藤初と共に12勝を挙げる一方で、セーブを9個記録しました。しかし、1975年以降は出場機会が減少し、1976年には1試合、1977年には3試合の登板に留まり、現役を引退します。

選手としての特徴と引退後

田中は170cmと小柄ながらも、スリークォーターの投球フォームから速球、カーブ、シュート、スライダーを多彩に操る投手でした。特に制球力に優れ、国際大会で共にプレーした田淵幸一からは「これほど速い球を受けたことがない」と称賛を受けるほどでした。

彼は千葉経済高校時代に2度、日本通運時代に1度ノーヒットノーランを達成するなど、その実力が証明されています。引退後は故郷の木更津市でモツ料理店「あきちゃん」を経営し、40年以上にわたり地域に根差した活動を続けています。

田中章のこれまでの歩みと選手としての情熱は、今でも多くの人に記憶されています。彼の努力や成果が、多くの選手にとっての刺激となっていることでしょう。

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