田中裕二 (ミュージシャン)

田中裕二 (たなか ゆうじ)

プロフィール

田中裕二は、1957年5月29日に北海道旭川市で生まれ、2022年12月17日に65歳で逝去した日本のドラマー、ミュージシャンです。血液型はO型。1977年からロックバンド『安全地帯』のメンバーとして活動し、その音楽性と人柄で多くのファンを魅了しました。

来歴

幼少期からバンド結成まで

1957年、自動車整備工の父の元に生まれました。1962年には後のバンド仲間となる矢萩渉と出会います。1972年、中学3年の時に、ギターを弾いていた矢萩とバンドを結成。さらに1973年には、高校進学後、六土開正が率いる『六土開正バンド』に矢萩と共に参加し、サザン・ロックのコピー演奏を中心に活動しました。この頃から音楽への情熱を深めていきます。

安全地帯への加入

1974年から1976年にかけて、様々な音楽コンテストに出場する中で、玉置浩二率いる『安全地帯』と親交を深めます。そして1977年、『六土開正バンド』と『安全地帯』が合併し、現在の『安全地帯』の原型が完成しました。この合併は、互いのバンドの演奏技術と楽曲制作能力に惹かれ合った結果でした。しかし、1978年には家業を継ぐために一時的にバンドを脱退しています。

安全地帯での活動

1981年、『安全地帯』は井上陽水のコンサートツアーのバックバンドに抜擢され、上京します。1982年には、安全地帯としてシングル『萠黄色のスナップ』でデビュー。田中は、ドラマーの大平市次の脱退に伴い、再加入しました。ライブやコンサートでは、ソロでのドラム演奏も披露するなど、その高い演奏技術を披露しました。1987年には、ドラム専門誌にインタビュー記事とドラムセットが掲載され、注目を集めました。

活動休止とVoThM結成

1988年、安全地帯は活動休止を宣言。これはメンバー個々の音楽活動の進化とバンドの方向性を模索するためでした。1989年、田中は元C-C-Bの渡辺英樹、丸山正剛とバンド『VoThM』を結成。しかし、1990年に安全地帯が活動を再開したため、脱退しました。VoThMでは、都会的なロックから野性味のあるロックへと音楽性を変化させ、社会問題にも切り込んだメッセージソングを発表しました。

再び活動休止、カフェ経営へ

1993年、安全地帯は再び活動休止。プロデューサーに須藤晃を迎えましたが、レコード会社移籍や音楽性の不安から活動が停滞しました。1994年以降、安全地帯のコンサートが数回開催される一方で、メンバーは個々の活動に専念。田中は、音楽活動と並行して、千葉県白井市にカフェ・レストラン『カフェ・ド・とおやま』をオープンし、経営者としての才能も発揮しました。このカフェは、後に『Y's cafe』と改名され、多くの人に愛されました。

安全地帯再始動

1998年、玉置浩二の強い要望により安全地帯は再始動。1999年には、玉置が安全地帯の楽曲をソロアルバムとして発表し、田中もスタジオミュージシャンとして参加しました。そして2001年、安全地帯は新譜録音のため再結集。2002年には、シングル『出逢い』をリリースし、本格的に活動を再開しました。2003年にはアルバムを発表し、コンサートツアーを開催。しかし2004年、ギタリストの武沢豊の事故をきっかけに再び活動休止。田中は、カフェ経営に専念しました。その後、2009年に玉置が音楽活動を再開したことをきっかけに、再び安全地帯のメンバーが集結し、2010年にはシングル『蒼いバラ』を発表し、完全復活を遂げました。2013年にはアルバム収録曲の作曲も担当し、才能を発揮しました。

その後

2016年には、テレビ番組に単独で出演し、バンドの裏話やカフェ経営について語りました。2017年には、安全地帯のデビュー35周年を記念したツアーにも参加。しかし、2019年に脳内出血で倒れ、コンサートへの参加が不可能となりました。そして2022年12月17日に逝去されました。

音楽活動

バンド『VoThM』

1990年、イベント『JT SUPRE SOUND‘90』に参加。

サポートミュージシャン

1981年～1983年、井上陽水のバックバンドを安全地帯として担当しました。

機材

ドラム: Pearl B.D. 22×18, S.D. 14×6・1/2, T.T. 8×8, T.T. 10×10, T.T. 12×12, T.T. 13×13, F.T. 16×16
シンバル: SABIAN 14" H.H., 18" T.C., 15" T.C, 10" S.C, 16" T.C., 20" M.R., 18" CH.C.
エレドラ: 3ヶ（詳細不明）

外部リンク

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