田原春次

田原春次の生涯と業績

田原春次（たはら はるじ）、1900年7月28日生まれ、1973年7月14日に亡くなった日本の政治家であり、部落解放運動の活動家である。福岡県京都郡行橋町、現在の行橋市にある被差別部落に生まれた田原は、差別撤廃に向けた取り組みを行い、衆議院議員として7期を務めた。

初期の生い立ちと教育

田原は田原寅次郎の長男として育ち、豊津中学校（現・育徳館高校）を卒業。その後、早稲田大学に進学し、学生運動に参加した。特に「黎民創生会」という団体の一員として、社会の不平等に死活問題を抱えている人々の声を反映させる活動に力を注いだ。1922年に法律学科を卒業し、翌年には渡米してミズーリ州立大学に留学。さまざまな国際的な視野を学び、1924年には福岡日日新聞社に入社、海外特派員として北米を代表するメディアでの経験を積んだ。

政治キャリアの始まり

1928年に帰国した田原は、東京朝日新聞社に転職し、1930年8月まで在職。その後、全国大衆党に入党し、機関誌の主任として編集業務に従事した。農民運動にも積極的に参加し、社会における弱者の権利擁護に努めた。彼は1937年の第20回衆議院議員総選挙において、社会大衆党から福岡県第4区で立候補。見事に当選し、初めて国会議員となる。

戦後の活動と再選

戦後、田原は日本社会党の結成に関わり、1946年の第22回総選挙では再度当選を果たすも、その後公職追放となり苦難の時期を経験した。しかし、この追放は長くは続かず、1952年の第25回総選挙では再び当選し、その後も衆議院議員としての地位を維持した。最終的には第27回、第29回から第31回の総選挙において連続当選を果たし、通算で7期にわたって衆議院に在籍した。

部落解放運動への貢献

田原は1960年から部落解放同盟福岡県連の委員長に就任し、部落民の権利向上を図る活動を行った。その生涯を通じて、差別撤廃と社会正義に力を注ぎ続け、政界引退後もその影響力を保ち続けた。彼は1973年に73歳でこの世を去ったが、その活動は今も多くの人々に受け継がれている。

私生活

田原はキリスト教徒であり、趣味にはスポーツ、映画、読書があった。彼の家族には、妻のハル（1904年または1903年生）、二女、三女、長男、二男がいる。また、弟の吉川兼光も衆議院議員として活動した。田原春次の業績は、彼の出身地を含む日本の政治と社会において、未だに重要な意義を持ち続けている。彼の人生は、差別に立ち向かう強い意志の象徴であり、多くの人々に影響を与えてきた。

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