第20回衆議院議員総選挙

第20回衆議院議員総選挙

1937年4月30日に実施された第20回衆議院議員総選挙は、昭和12年における日本の重要な政治イベントの一つであり、多くの変革をもたらしました。選挙は、当時の林銑十郎内閣が閣内与党の昭和会と閣外協力の国民同盟を中心に、政治戦略を展開した結果、国民の間での賛否が分かれました。

政治的背景

この総選挙の前、林銑十郎内閣は1937年2月2日に発足し、特に重要な法案が審議されていた第70回帝国議会において、民政党と政友会といった二大政党による強い対抗に直面しました。その結果、内閣は目論み通りの与党勢力の拡大ができず、選挙の決断を下したものの、予算が可決された後の解散は「食い逃げ解散」として批判を受けました。

選挙結果とその影響

投票日が到来すると、衆議院の466議席が争われました。最終的に、立憲民政党が180議席、立憲政友会が174議席を獲得し、両党はほぼ互角の戦いを展開しました。しかし、特筆すべきは社会大衆党の躍進です。この党は、無産政党として歴史上初の第三党となり、選挙の結果、政友会と民政党の間に立つ存在感を示しました。結果として、林内閣は5月31日に総辞職せざるを得なくなりました。

さらに、選挙により当選した議員は、その後1941年8月に施行された「衆議院議員ノ任期延長ニ関スル法律」により特例として任期が1年延長され、これにより多くの議員が5年間の任期を満了する結果となりました。この任期中には大政翼賛会が結成され、政党の存在感が失われるという一連の政治変動が起きました。

選挙の詳細

選挙は1937年の3月31日に解散され、その翌日には公示が行われ、投票は同年4月30日に実施されました。選挙制度は中選挙区制で、満25歳以上の男性のみが投票権を持つ普通投票が行われました。有権者は14,618,298人で、投票率にも影響を与える注目の選挙となりました。

党派別の獲得議席は、立憲民政党が180議席、立憲政友会が174議席、そして社会大衆党が37議席という結果でした。それに続くのは昭和会の19議席、国民同盟の11議席、東方会の11議席、無所属や諸派の議席もありました。このように、党派間の動揺が政治の行く先を示唆していました。

総括

この選挙は、日本の戦前政治における重要な転機を象徴しています。特に、与党が議席を減らし、社会大衆党の影響力が増大するという出来事は、今後の日本政治の動向に大きな影響を与えました。選挙の結果は、林内閣の終焉をもたらし、政治情勢を大きく変えるきっかけとなったのです。

もう一度検索