田口息継

田口息継（たぐち の おきつぐ）は、平安時代初期に活躍した貴族であり、官位は正五位下および右中弁を歴任しました。息継は、797年に従五位下に叙爵され、以降次々と重要な職務を務めていきました。初めに雅楽助として任命され、その後鋳銭次官に就任しています。特に806年には桓武天皇の葬儀において養役夫司を担当し、貴族の社交や儀礼においても重要な役割を果たしていました。

大同3年（808年）には、右少弁に任官し、その後左少弁に昇進するという経歴を重ね、同年の5月にはこの重要な地位に就いています。次の年には、従五位上に昇格し、ここからも彼の官歴の中で多くの功績を残すこととなります。809年10月には、平城京の新宮殿の敷地を占定する作業に関与しており、これは当時の上皇にとって非常に重要なプロジェクトでした。息継は、その後右兵衛督・藤原仲成と共に宮殿の造営に携わり、平城上皇の移転を支える重要な役割を果たしました。

810年9月、薬子の変が発生した際には、彼は正五位下・権右中弁の官職にありましたが、嵯峨天皇側に付いたことで、正官の右中弁に昇格しました。これにより彼の権力が強化され、重要な決定に関与する立場となりました。812年には民部大輔に転任し、その後右中弁に復職するなど、その活躍は平安時代の重要な出来事に影響を与え続けました。

盛況な平安時代の中で、田口息継はその職務を通じて日本の政権の中枢に深く関与し、彼の政歴は多くの歴史的出来事と絡み合っています。彼の経歴は日本の貴族制度を理解する上で欠かせない要素であり、平安時代初期における政治的な動きや人々の生活を垣間見ることができます。

息継の名前は、記録に残されている多くの歴史的資料を通じて知ることができます。彼に関する記録は『六国史』と呼ばれる文献に記されており、官歴として彼がどのような役職に就いていたかを示しています。これによって、息継の生涯はさらなる研究の基盤となり、平安時代の貴族たちの生活や政治に対する洞察を与えてくれます。彼の官歴は、従五位下から始まり、上昇を続けていきます。もとは正六位上からのスタートであり、彼の昇格は彼の能力と当時の政治状況を反映しています。加えて、任官された職務の数々は、彼がいかに複雑な政治環境の中でその役割を果たしていたかを物語っています。彼のような人物は、平安時代の貴族社会において重要な役割を果たし、その影響力は後世にまで及んでいます。

もう一度検索